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理事長コラム~今月のひとこと~

パンデミック時代の地域生活

2022-11-15
 
 終わりの見えないコロナ事態のなか、くれんどにおいても、所内の複数の事業所において、何度かコロナ感染の波に見舞われている。陽性スタッフが陽性者へ介助に入るなど厳しい局面に追い詰められたこともあったが、重度一人暮らしの感染者対応や逆に非感染重度障害者への対応などゾーンを分け、また人を分け、閉所・縮小部門と継続部門にメリハリをつけるなどして、ギリギリのところで、何とかこの難局を乗り越えて来た。一方、呉市内に4カ所ある「まるごとネット呉」(地域生活支援拠点)間での相互応援体制や、行政に対しても、自立支援協議会や(4拠点)拠点連絡協議会を通して、このような非常時の際の人的なバックアップ体制の構築の必要性について訴えてきた。

 このコロナ禍で痛感したことの一つが、1カ所集中を避ける「小規模」「分散」ということだが、これに反した動きが国のレベルでは進められている。たとえば、18報酬改定で導入された「日中サービス支援型グループホーム」である。この実体は、日中も当該グループホームで過ごすことを可能にする20人規模の「大規模ホーム」である。仮にこれがスタンダードになれば、現在の入所施設で心配されている問題が拡散していくことを示している。

 「日中支援型グループホーム」はもう一つ根本的な問題を持っている。前号でもふれたが、国連の障害者権利委員会は、障害者の退院移行、地域移行が進まない日本に対して、この9月にも是正勧告を出した。このグループホームは、そうした批判をかわすための、つまりカタチだけ地域移行したかのような体裁をとりつくろうための「隠れ入所施設」にほかならない。しかし日本政府は、権利委員会からの勧告にもかかわらず、依然として障害者に対する分離・隔離政策を維持しようとしている。

 グループホームがくらしの場であるというなら、インクルージョンをうたうのであれば、まずもって昔の通勤寮の名残をとどめる(就労継続B型などと同グループの)「訓練等給付事業」から(居宅介護などと同グループの)「介護給付事業」に移行させるべきである。そのうえで、重度の人たちも十分に支えられる報酬単価とすべきである。さらに言えば、自宅でのパーソナルケア、24時間ケアも可能にする「重度訪問介護」の拡充をはかるべきである。

 パンデミック時代の地域生活とは、大規模化ではない。小規模化、分散化をすすめるべきである。

(小河 努)

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