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理事長コラム~今月のひとこと~

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ミジンコにはミジンコの都合がある

2025-01-17
 2025年の新しい年が明けた。年末、確実に5年は片付けというものをしていない部屋を少し整理していると、昨年の新聞の切り抜きが出て来た。ちょうど1年前の朝日の記事、鷲田清一のコラムである。広長浜出身のサックス奏者、坂田明のことばだった。そのまま紹介したい。

「ミジンコにはミジンコの都合がある」(『私説ミジンコ大全』より)
 ミジンコに魅せられ、飼育し、本まで書くサックス奏者。泡沫のような存在とみなされてきたミジンコは食物連鎖の底辺をなすのみならず、環境汚染度の指標にもなる。生物進化の「豊かさ」についても、首を傾げるようなその生態から学ぶことは多いと言う。同様に「役立たず」と言われる人も「役立たず」という役をシカとやっているのだと。(24.1.5鷲田清一「折々のことば」から)

 ちょうど同じ箇所に、6/17のベタ記事「出生前検査、169施設を追加認証」を挟んでいた。それによると、ダウン症などの赤ちゃんの染色体異常を調べる出生前診断について日本医学会は、これまでの108施設から169施設に増やし、35歳以上としていた年齢制限も撤廃する方針を発表したと伝えている。これまでにも、94%の人たちが悩みながらではあろうが生むことを拒否している現実があり、このたびの日本医学会のガイドラインは、その動きをさらに加速させることが懸念される。「役立たず」以前に、「障害はリスクでしかない」という妄念が未だに社会のスタンダードである事実を突き付けられる。

 坂田明は広島大学水畜産学部の出身、音楽活動の傍らミジンコの研究に没頭してきたという。障害者をミジンコに例えるつもりはないが、何か通じるものを感じて、切り抜きを出生前検査の記事といっしょに残して置いたのだと思う。脈絡に少し飛躍はあるが、坂田明が「ミジンコにはミジンコの都合がある」とミジンコの生を代弁するのであれば、私たちくれんどもまた、当事者とともに何がしかの言挙げ、代弁、アドボケートをしていかなければならないと思う。

 2025年、地域生活支援拠点の継続に加えて、社会福祉法人化、基幹相談支援センター(虐待防止センター)、自立支援協議会事務局が一挙に押し寄せて来る。何のためにやるのか。社会的に依然としてマイナーな障害当事者の市民権の拡大につながる事業でなければ、これらの事業受託も意味をなさない。

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