理念とコラム
くれんどの3つの理念
●弱さを絆(きずな)に
つらかったら逃げましょう。そして思いっきり泣きましょう。楽しいことを話しに来ましょう。そして、夢を、やりたいことを、とことん語り合いましょう。
弱くていいのです。がんばることからは降りましょう。障害や高齢は、克服する対象でも、惨めなことでも、恥ずかしいことでもありません。健常者社会からは弱くみえても、手話文化を持ったろう者コミュニティをみれば分かるとおり、社会的少数者(マイノリティ)としての誇りさえ持つことができます。
くれんどはピアサポート・権利擁護センターです。身体障害者・知的障害者の仲間たちがサポートします。弱さを絆(きずな)に、多数社会の生活スタイルから自由になり、生き直しをしましょう。
●当事者主体のスローライフ(自立生活)の実現を
地域社会でのノーマルな生活を満喫しましょう。半世紀前には全身性障害者の自立生活など想像もできなかったことです。スローなあなただから、こだわりを持っているあなただからこそ、地域での生活を楽しめるのです。
くれんどは入所施設以外の、地域でのすべてのノーマルなメニューの実現を応援するセンターです。
●地域社会とのコラボレーション、協働化を
地域社会で生きるときの大切なキーワードは、協働化です。私たちの住んでいる地域は地方、もっとはっきり言えば辺境にあります。障害や高齢もまた、人間界の辺境とでも呼べるところに置かれて来ました。それらは、いわば競争や効率を求める社会、中央志向によって「辺境」に追いやられて来たものです。
私たちはそのことを逆手にとって、地域社会との協働化、コラボレーションを模索し、楽しみをみつけていきたいと考えています。
そのために、くれんどの各施設を地域のオープンスペースとして開放します。また、環境や平和についての情報やイベントの発信基地にします。さらに、地域の特産品の開発や有機農業、イベントの手伝いなど地域の人たちの役に立つことをめざして活動していきます。
スタッフは地域社会の窓口です。能力社会を超え、障害者・高齢者への人権侵害をなくすには、スタッフ自身がまず競争主義・管理主義から解き放たれ、障害者の、高齢者の、自らの痛みに対する想像力を持ち続けることが地域社会とのコラボレーションの出発となります。