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理事長の連載コラム~今月のひとこと~

戦争、公害と障害者

2022-06-16
 
 半世紀近く前の話になるが、運動側からも、戦争は障害者をつくり出すから反対だ、公害は障害者を生むから反対だというフレーズがよく使われた。実際、1986年のチェルノブイリ原発事故のときにも、ポーランドを中心とするヨーロッパでは、子どもを産まない運動が展開されたことがあった。これには、違和感があった。しかし当時はその違和感を説明出来なかった。
 
 戦争や環境汚染によって、障害者がつくられ障害者が生まれる可能性は確かに高くなる。そのことを許容するのかと問われると、イエスとは言えない。しかし、障害者が生まれるから反対するのだと言われれば、それもまた違うだろうということだ。それは、現に生きている障害者を否定することにつながるからだ。障害者に対する差別感情をあおることにつながるからだ。
 
 戦争や水俣水銀汚染のその後を生きている障害者もまた現におり、生活もまたある。戦争と障害者の安易なひもづけは、障害を受けたからこそ見えて来た風景や暮らしを一刀両断にし、障害者への差別意識をより強化することにつながる。そもそも、戦争や環境汚染という局面で、なぜ障害者が罰の極点として引き合いに出されるのか。インパクトがあるからに他ならない。

 私たちが戦争や環境汚染に反対する理由は、「(障害者になるから反対なのではなく)現に生きている障害者を真っ先に排除するから反対」なのだ。そのことは、日本障害者協議会(JD)がホームページ上で紹介しているインクルージョン・ヨーロッパ(知的障害者や家族のヨーロッパ・ネットワーク)が、ウクライナの知的障害者団体に状況を聞き取った次の証言にも端的にあらわれている。
 
  • 避難できる人や子どもは、すでに町を出ています。身体にマヒがある人、車いすの移動に必要な車両が不足しているため、重い障害のある人が取り残されています。(3/16ジトミール州)

  • 2月24日以降、私と子どもたちは、たびたび防空壕や地下室に入るようになりました。知的障害や身体障害のある子どもたちは、怖がり、パニックになります。この子たちにとっても、親にとっても大変です。時に、大きい子どもたちを(きずって隠さなければなりません。(3/3チェルニカシー州)

(小河 努)

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