スタッフ日記
事業所と当事者との意見交換会
2024-02-29
2024年1月24日、くれんど各事業所の代表者と、くれんどを利用している当事者の代表者との意見交換会を開催しました!
くれんどにはさまざまな当事者会があります。一人暮らしをしている人たちによる「自立生活友の会」、車椅子ユーザーの人たちが参加する「楽人の会」、日頃くれんどの事業所に通っている人たちが事業所内で開催している「しゃべろう会」、ろう者が参加する「でふらく会」などなど、活動を通して当事者同士が悩みを話したり、やりたいことを企画したりしています。そして毎月1回、「当事者連絡会」という会議を設けて、それぞれの会の活動報告を行っています。
今年からくれんどでは、当事者との協働を通してより良い事業所づくり、地域づくりをしていくことを目指し、「当事者連絡会」に参加している各団体の代表者と、くれんどの各事業所の代表者が集まって意見交換会を開催していくことになりました。
第一回目のこの日は、あらかじめ各当事者会で「くれんどに要望したいこと」を話し合っておいてもらい、そこで出された意見を発表してもらいました。
「トイレに手すりがついてないところがあるので、もっと手すりをつけて欲しい」
「事業所にWi-Fiをつけて欲しい」
「下駄箱が古いので何とかして欲しい」
といった、事業所の設備面についての意見や、
「スタッフが忙しそうな時にトイレの介助を頼みにくい」
「スタッフや利用者間での人間関係に悩むことがある」
などの、スタッフや利用者との関係性に関する悩み、
「就労継続支援B型や生活介護での工賃(利用者の賃金)を上げて欲しい」
「サービスが利用できるエリアをもっと拡大して欲しい」
といった制度やサービス上の問題を含む要望もあり、更には、
「スタッフの待遇を良くして、もっとたくさんのスタッフが就職してくれるようにして欲しい」
と、スタッフ側の待遇に言及される場面もありました。
また「でふらく会」からは、
「『認知症カフェ』と呼ばれる活動があるように、『手話カフェ』というのをやって、スタッフや地域の人が気軽に参加できて、手話を学んだり手話に関する情報発信ができるような活動がやりたい」
という意見も出されています。
これらの意見に対して、くれんどの理事長をはじめ各事業所の代表者から質問や対応についての回答を行いました。設備面については、もう少し詳細を確認しながら対応できるところからしていくこと、スタッフや利用者との関係性については、勉強会や利用者との話し合いの場を設けて継続的に取り組んでいくこと、また制度上の問題を含むことなどに関しては、すぐに解決できることではないが引き続き意見交換をしていきながら取り組んでいきたいということなどを確認しました。
くれんどでは今後もこうした意見交換会を通して、利用者と事業所が単に「福祉サービスの受け手と担い手」というだけの関係ではなく、ともに課題に取り組んでいくパートナーとして協働し、障害があってもなくても安心して暮らせる地域づくりをしていきたいと思っています。
(こうの)
ポナとポラーノ広場のクリスマス音楽会
2024-01-25
12月25日、スタッフの家族の木原さちこさんと玉田あつこさんをゲストにお迎えして、クリスマスコンサートをしました。おふたりの素敵なキーボード演奏のクリスマスメドレーにみんなうっとりして聴いていました。おふたりは大の猫好きで、おうちの猫のスライドを映しながら、ねこふんじゃった♪のコミカルな演奏でみんなの気分も盛り上がりました。
続いての曲当てクイズでは、ディズニーや宮崎駿の聴きなれたメロディが流れてくると、みんなすごい勢いで手をあげていました。演奏会のあとは、みんなで音あそび♫ あわてんぼうのサンタクロースでリズム楽器の合奏、赤鼻のトナカイは手話で歌い、マライアキャリーの曲に合わせてノリノリでダンスをしました。
最後に、おふたりからのサプライズで、お菓子のプレゼントまでいただきました。本当に楽しいクリスマス会となりました。後日、ゲストのおふたりから、「とても素敵な子どもたちばかりで、とっても楽しいひと時をありがとうございました」とメッセージをいただき、みんながとても心温まる楽しいクリスマス会だったなと、あらためてゲストのおふたりに感謝の気持ちでいっぱいです。
(まえかわ)
ランウェイで広がる福祉・介護の新しい魅力
2023-12-18
12/10(日)、広島県社会福祉協議会主催の「カイゴギャップコレクション2023」に参加しました。福祉・介護の「きつそう」「大変そう」という業界イメージを払拭する、良い意味での「ギャップ」をショー形式で伝えるイベントです。くれんどからはスタッフ小野さん、利用者Aさんのペアが出演しました。くれんどを含め4事業所の参加がありました。
Aさんは今回出演するにあたり、「せっかくの機会だから、女装したい!」と希望がありました。そこで、「いつか利用者さんにメイクをする仕事がしたい」と言っていた、以前社会福祉援助実習でくれんどに来ていた元実習生の方に来てもらいました。この日のためにウィッグを持参したAさん。気合いが入ります。小野さんも傍らで、ショーの流れを再確認しています。
本番では、小野さんと、ウィッグとフルメイクをしたAさんが堂々とステージに登場し、笑顔でランウェイを歩き、拍手・歓声が上がっていました。MCの大窪シゲキさんから「さっきの紹介動画の人とは別人ですか!?」とツッコミがあったり、またお互いの関係性や、手話についての質問があり、2人ともハキハキと答えていて、とても輝いていました。
「2人は、利用者・スタッフという区別ではなく、お互い尊敬し合う先輩・後輩」「くれんどはろう者が働きやすい職場」「障害のある人が地域にいる、活躍している」ということが、会場のお客さんにもしっかり伝わったと思います。これからも、この業界の魅力をこれからもどんどん発信していきたいと思います。
(ひろかね)
アートなじかん ―安浦町文化祭に出展!―
2023-11-14
くれんどは臨床美術活動施設として、(特非)日本臨床美術協会から認定されています。毎月一回のアートなじかんに制作した作品を、安浦町文化祭に展示発表しています。
臨床美術(クリニカルアート)は、独自のアートプログラムに沿った創作活動を通して、認知症の症状改善を目的として1996年に医師・美術家・ファミリーケアアドバイザーがチームとなってスタートさせました。医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチが特徴で、アートセラピーの先進国にも例を見ない先駆的な取り組みです。現在では認知症の症状改善のみならず、認知症予防・発達障害の子どもへのアプローチ・子どもたちの感性を育む教育・福祉教育・一般社会人の日々のストレスケアや社員教育等に高い評価を得ています。
臨床美術の目的は、作品を完成させることや写実的にきれいに描くことではありません。創作活動そのものを楽しんでいただき、創作する喜びを味わっていただきながら、脳を活性化していくことを大切にしています。臨床美術のサポートをしていただく際、次の点を理解していただければと思います。
1.ちがうと言わない
アートにまちがいはないのです。見本と同じに描く必要はありません。参加者それぞれの想像や発展に共感し励まして、思いもつかない表現に発展することをともに楽しみましょう。
2.うまいと言わない
「うまい」「上手」という表現は一見ほめ言葉のようですが、その裏には「下手」があ
り、だれかと比較されているような誤解を生じてしまうこともあります。作品をほめるときは、作品の個性(色づかいや色の効果、線の勢いや優しさ、柔らかさなど)を具体的にほめてください。
3.手伝わない
臨床美術は写実的に描くことが目的ではなくて、参加者が制作するプロセスを大切にしています。たとえゆっくりでも参加者が自分の手で創作していくことを尊重して、できるだけそのままにしてください。もし何か困っていて作業が進んでいないようであれば、まず尋ねてみて、すぐに手伝うのではなく一緒に考えてみるようにします。
4.急がせない
臨床美術では、制作を通して参加者が色を選んだり決めたりすることを大切にしています。その過程が脳を鍛えることにつながるからです。ですから決して急がせたりせず、じっくりと待ちましょう。
5.止めない
枠にきちんと納まらなかったり、画面からはみ出したり、下に敷いてある紙に描いたり、説明と違うことをしていたり、…「いいのかな?」と思っても制止する必要はありません。それは創作意欲の表れであり心が解放されていくことにつながるのです。ですから参加者がスムーズに創作に取り組むことが出来たら大成功なのです。出来上がった作品をじっくり見てください。その人にしかできない創作の軌跡がわかるすばらしい作品に仕上がっているはずです。
毎月のテーマ設定に悩み苦しいなと思ったり、活動日までの準備に手間取ったり、うまく進められなかったなと落ち込むことも多いのですが、楽しい創作時間を提供できるよう自己研鑽に努めたいと思いますので、これからも皆様のサポート、よろしくお願いいたします。
(おごう きょうこ)
よふかしのうた
2023-10-26
9/29は中秋の名月でした。
その日はAさん宅に重度訪問で支援に入らせてもらっており、ちょうどカープの試合もひと段落?(阪神の優勝が決まって消化試合、初回エラーからの失点で5回まで良いとこなしでやっと6回にビッグチャンス到来。からの~代打ゲッツーでスリーアウト!)して「もうっ!知らん!!」となったところで一緒に月を見に外出しました。
よふかしのうたのように深夜ではなかったのですが、Aさんも夜に自宅から外に出ることがなかったようで、月を見に行くというちょっと風流な感じのグッドバイブスと、近場とはいえ夜に家から出て外を出歩くという謎の背徳感からくるバッドバイブスがまじりあって多少テンション高めの2人です。
一緒に月を眺めたり、暗闇の海沿いで月の写真をとりながらキャッキャウフフしていました。
私たちであれば時間を気にせず気軽に外に出て散歩したり、コンビニに行ったりと当たり前にできてしまいますが、当事者の方はなかなかそうではないのが現状です。
こんな時間が持てるのも、長時間滞在し必要な時に必要な介助ができる重度訪問ならではなのではないでしょうか。
これからもそんなちょっとした時間をともに楽しめるような生活のサポートができればいいなと思います。
(くろかわ)