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スタッフ日記

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当事者の声が未来を変える―呉市障害福祉計画 聞き取り座談会

2023-10-10
次年度は、第7期呉市障害福祉計画、第3期呉市障害児福祉計画の策定時期になります。8月30日、「当事者の声を直接聞かせてほしい」ということで、呉市障害福祉課から4人の職員がくれんどに来ました。集まった16人の当事者それぞれが、現在の生活環境、福祉サービス等を利用して満足していることや不満があること、今心配なことや不安に思うこと、どんな支援があればよいか、今後の希望、呉市に取り組んでほしいこと等について話をしました。

広で一人暮らしをしている小林さんからは、7月末でこれまで身体介護で入っていた事業所が撤退し同時に相談員さんもやめて、本当に困っているという話がありました。「朝7時に起きて、夜9時に寝るのがそんなにわがままなことなのでしょうか?」という切実な訴えでした。その他、コロナ感染等で自宅に介助に入ってもらえなかった、父が入院して大変な中いろいろと辛かったり我慢したりしている、移動支援でもっといろんなところに行けるようにしてほしい、短期入所先で困ったことがある、心配なことは家族がいないこと、女性のグループホームが増えてほしい、相談しやすい人が増えたらいい、移動支援の時の移動時間の中抜きの問題について考えてほしい、介護職不足の解消と自立生活の継続をお願いしたい、人手不足を解消するための呉市の取り組みについて具体的に聞きたい、駅や商業施設のバリアフリーをもっと進めてほしい、等の訴えがありました。

逆に最近の環境でよくなったことについては、コロナ感染したけれど福祉サービスを利用しながら1週間持ちこたえた、家事援助でスタッフさんが優しくしてくれる、3年前は初任者研修等で手話通訳を付けることができなかったが現在は解消されている、重度訪問介護に関してトイレや訪問看護(入浴)利用中の中抜きがなくなり使いやすくなった、等の話がありました。そして、自分たちが通っているような施設が増えたらいい、これからも呉市と定期的に話し合う場ができればと思う、という意見も出ていました。

当事者の生の声が、しっかりと届きますように!

(いりえ)

ろう者ですけどなにか?~私が受けた差別~

2023-09-27
カンパネラの雑貨屋amiを担当している尾濱と申します。8月のスタッフ会で「ろう者ですけどなにか?私が受けた差別」、ウソのようで本当にあったことをお話しさせていただきました。

カンパネラとジョバンニのしゃべろう会で、広島マツダの従業員が障害者のマネ動画を投稿したことについてや「揶揄するつもりはなかった」という謝罪の発言について話し合いをしました。その中で、「尾濱さんはどんな差別を受けたことがあるだろうか、あれば聞きたい」と頼まれたことがきっかけで、それぞれのしゃべろう会でお話しさせていただきました。しゃべろう会で自分が受けた差別をいくつか話すのは初めてでした。差別を受けて自分が傷付いた話を人に話すのは大変つらいことです。経験話を話したくないという方もいますが、私は話したくない、隠している訳でもなく、話す機会が今までなかっただけで、逆にみんなに知ってもらいたいとずっと思っていました。

ちなみに、広島マツダは聴覚障害者が就職する率が高く、ろう者同士の間ではよく知られています。
 
しゃべろう会で話した内容をスタッフ会で紹介しました。ここでは、一部紹介します。

  • 子どもの頃、駄菓子屋のおじさんにおつりをもらえなかった

(私が聞こえないと知っていて)聞こえないからおつりのことは分からないだろう、言い返ししないだろうとバカにされたこと。

  • 親戚の人に腐った食べ物を出された

祖母の葬式で集まった親戚のおばさんに、黒い食べ物(腐敗した食べ物)を出され、断るのは失礼と思い食べてしまった。その後、嘔吐と下痢になり、祖母の最後のお別れができなかったこと。

  • アルバイトで何年間も働いたのに研修期間の時給のまま

研修期間が終わったのに、研修期間の時給でもらっていた。「あなたは、電話ができないからその時給が妥当だ」と言われたこと。

  • フードを注文すると「お金を持っていますか?」と聞かれた

注文したい内容(メニュー)をメモに書いて店員に渡しただけなのに、お金を持っていないと思われたこと。

  • 教育実習先で…

当時の校長先生から、実習の受け入れ前の面談を行いたいから来いと呼ばれた。「聞こえないあなたが、障害児に何かあった時、この子を守れるのか?」「どうやってコミュニケーションをとるつもり?」「実習したからって単位をあげるかどうか分かりませんよ、それでも実習をしますか?」などと意地悪な質問をされたこと。最後の最後まで偏見を受け、実習終了日には「聞こえないのに(くせに)実習を最後まで頑張りました」と言われたこと。
 
しゃべろう会でもそうですが、スタッフ会で自分の体験を話していると、「されたことを今でも覚えている、でも相手は一瞬の出来事で忘れているんだろうなぁ」と不思議な感覚と同時に、その時の自分を忘れまいとあらためて思いました。こんなことされて、つらい、悔しい気持ちを持つことは悪いことではありません、むしろいいことなんです。「悔しさこそ、社会を変える原動力」だと思っています。
私にとって貴重な時間となり、話を聞いてくださったみなさんありがとうございました。

(おはま)



尾濱さんの話を中心に中岡さんや小野さんにも自身の体験について話してもらいました。

中岡さんからは、大学までずっと健聴者の中で育ってきて手話やろう者の仲間を知らなかった。きっと自分にも差別や偏見はあったと思うが、その時は気付かなかったことや聞こえないからと諦めていた部分もあった。その分、手話やろう者と出会った時にはカルチャーショックを()けたし、「おかしいと思ったことはおかしいと言っていい。そのことは聞こえないこととは関係ない」と学んだと話がありました。

小野さんからは、柔道整復師になりたいと思って専門学校に通いたかったが、聞こえないことを理由に複数の学校から入学を断られ、夢も諦めなければならなかった。また、大学生の時に介護福祉士の養成課程で施設から実習の受け入れはしてもらえたが、コミュニケーションを理由に途中で実習が中止となった話もありました。

差別を受けたことで、自分はダメなんだと思い込む人たちも居るという話もありましたが、一方で演題から感じられるようにろう者として誇りをもっている尾濱さんの姿や話、中岡さんのエピソードにもあったように当事者である仲間(ピアグループ・でふらく会)の存在が大きいことを感じました

(まつふじ)

こちら企画広報室

2023-08-17
くれんどには、「企画広報室」という部署があります。ここでは、求人戦略を練ったり、新商品を開発したり、地域団体に参画したり、広告物を作ったりと、活動は多岐に渡ります。

中でも最近力を入れているのが、くれんどオリジナルグッズ作りです。

  1. BROTOのパンの写真撮影
  2. 画像をパソコンに取り込む
  3. 画像や文字の配置を決める
  4. 商品説明文の作成
  5. 企画広報室の全員でチェック
という工程で、1つの商品が完成します。

1の写真撮影も大変なのですが、特に3の画像や文字の配置決めは、終わりの見えない戦いです。メイン担当のAさんが毎回頭を悩ませながら、ミリ単位でこだわりぬいて配置や色を決め、時にボツをくらい、それでもまたアイデアを絞り出し、そうしてついに、最高の1品が完成します。

商品が売れた時にはその苦労も喜び・やりがいに変わります。「いつか、私の作ったグッズがテレビドラマに使われるようになるのが夢です!」と語るAさん。新商品は随時更新していきますので、要チェック!よろしくお願いします。


(ひろかね)

外出支援 ~仕事のあとのお楽しみ~

2023-07-18
ホームサポくれんど(重度訪問介護・障害者居宅支援・行動援護・同行援護・高齢者訪問介護)

日中はカンパネラを利用しているNさん。
この日は仕事を終え、行動援護を利用して野呂山に行きました。
 
写真は、散歩の途中にある展望台で、大好きな炭酸飲料を片手にピースサインのNさん。

普段からたくさん汗をかくのですが、散歩でさらに汗びっしょり。

この後、別の公園にあるストレッチの器具で腰ひねりをしたようです。

別の日にはグリーンピアや正福寺などいろいろなところにも出かけて運動をしています。

歩くだけではなくキャッチボールやしゃぼん玉、買い物など外出を楽しめるよういろいろなことを行っています。
 
プールで泳ぐこともあり、その泳ぎ方はとてもダイナミックです。

運動不足のスタッフにとっても身体を動かす健康的な機会となっています。

Nさん、スタッフの運動に付き合ってくれてありがとう!!

(まつふじ) 

コロナ禍を乗り越えて~聞こえない人の苦悩~

2023-06-14
2023年5月8日に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されました。
 
○ 3年にわたるコロナ生活
3年以上にわたり多くの制限が行われてきたコロナ生活でしたが、聴覚障害者がもっとも苦しめられたのはマスク着用により相手の口元や顔の表情が見えずコミュニケーションができなかったことです。
 
○ アクリル板や飛沫防止シールド
新型コロナウイルス感染症が5類に移行された日に多くのコンビニなどの飲食店でアクリル板や飛沫防止シールドなどが撤去されるようすをニュースで見たとき、喜びと安堵感でいっぱいでした。
アクリル板による光の反射で相手の顔がよく見えず、話しかけられていることに気づかなかったり、ろう者同士で手話でおしゃべりしていても見えにくかったです。
 
○ マスク着用による偏見と差別
夫とスーパーで買い物をしているときに夫にマスクを少しだけ下げてもらって会話をしていると、マスクをしないなんて非常識…という目で見られたり、注意されたことがありました。マスクをしていると話が分からないから「口元を見せてください」とお願いすると嫌そうな顔をされたり、外してくれなかったこともありました。
コンビニなどで「箸をつけますか?」「ポイントカードはありますか?」「袋はいりますか?」と声を掛けられても何を言われているのか分からず、違う返答をすると「何こいつ?」と冷たい対応をされました。
私と同じ障害を持つ娘が高校卒業後の進学希望先の専門学校に透明マスクなどの配慮をお願いしても応じてもらえず差別的な発言があり、入試エントリーを断られました。
 
○ マスクの着用は個人の判断に委ねる
長かったコロナ対策が大きな節目を迎え、マスク着用が個人の判断になった今、でふらくメンバーに気持ちを聞いてみました。
A「マスクは衣服の一部になってしまった。外すことに抵抗がある。」
B「外など人が少ない場所では外す。」
C「周りのようすを見ながら合わせていきたい!」
D「これから暑くなるからマスクを思いっきり外したい!でも周りがまだ着けていたら躊躇するかも。」
 
○ 手話ドラマ
コロナ禍の中、手話ドラマ「サイレント」と「星降る夜に」の放送がありました。
このドラマのお陰で手話に興味を持つ人が増えました。私の娘も入学した専門学校で手話に興味を持っている子が何人かいて、手話を教えたりして仲良くなったという嬉しい話がありました。

○ 相手の顔が見えるっていいな
新型コロナウイルス感染症が5類に移行された日に仕事帰りにコンビニに立ち寄ると、レジで若い男性の店員さんがノーマスクで接客されていたので、思わず2度見しました。とても爽やかな笑顔で対応されていたので、顔が見えるってやっぱりいいな!と嬉しくもあり新鮮な気持ちになりました。
 
コロナ制限がなくなったとはいえ、コロナ感染者は今もなお続き、終息したわけではないので、これからも引き続き感染予防に気をつけて行きたいと思います。

(なかおか)

地域ネットくれんど
広島県呉市安浦町水尻1-3-1
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FAX.0823-84-4041
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