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スタッフ日記

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ランウェイで広がる福祉・介護の新しい魅力

2023-12-18
12/10(日)、広島県社会福祉協議会主催の「カイゴギャップコレクション2023」に参加しました。福祉・介護の「きつそう」「大変そう」という業界イメージを払拭する、良い意味での「ギャップ」をショー形式で伝えるイベントです。くれんどからはスタッフ小野さん、利用者Aさんのペアが出演しました。くれんどを含め4事業所の参加がありました。

Aさんは今回出演するにあたり、「せっかくの機会だから、女装したい!」と希望がありました。そこで、「いつか利用者さんにメイクをする仕事がしたい」と言っていた、以前社会福祉援助実習でくれんどに来ていた元実習生の方に来てもらいました。この日のためにウィッグを持参したAさん。気合いが入ります。小野さんも傍らで、ショーの流れを再確認しています。

本番では、小野さんと、ウィッグとフルメイクをしたAさんが堂々とステージに登場し、笑顔でランウェイを歩き、拍手・歓声が上がっていました。MCの大窪シゲキさんから「さっきの紹介動画の人とは別人ですか!?」とツッコミがあったり、またお互いの関係性や、手話についての質問があり、2人ともハキハキと答えていて、とても輝いていました。

「2人は、利用者・スタッフという区別ではなく、お互い尊敬し合う先輩・後輩」「くれんどはろう者が働きやすい職場」「障害のある人が地域にいる、活躍している」ということが、会場のお客さんにもしっかり伝わったと思います。これからも、この業界の魅力をこれからもどんどん発信していきたいと思います。

(ひろかね)

アートなじかん ―安浦町文化祭に出展!―

2023-11-14
くれんどは臨床美術活動施設として、(特非)日本臨床美術協会から認定されています。毎月一回のアートなじかんに制作した作品を、安浦町文化祭に展示発表しています。

臨床美術(クリニカルアート)は、独自のアートプログラムに沿った創作活動を通して、認知症の症状改善を目的として1996年に医師・美術家・ファミリーケアアドバイザーがチームとなってスタートさせました。医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチが特徴で、アートセラピーの先進国にも例を見ない先駆的な取り組みです。現在では認知症の症状改善のみならず、認知症予防・発達障害の子どもへのアプローチ・子どもたちの感性を育む教育・福祉教育・一般社会人の日々のストレスケアや社員教育等に高い評価を得ています。

臨床美術の目的は、作品を完成させることや写実的にきれいに描くことではありません。創作活動そのものを楽しんでいただき、創作する喜びを味わっていただきながら、脳を活性化していくことを大切にしています。臨床美術のサポートをしていただく際、次の点を理解していただければと思います。

1.ちがうと言わない

アートにまちがいはないのです。見本と同じに描く必要はありません。参加者それぞれの想像や発展に共感し励まして、思いもつかない表現に発展することをともに楽しみましょう。

2.うまいと言わない

「うまい」「上手」という表現は一見ほめ言葉のようですが、その裏には「下手」があ
り、だれかと比較されているような誤解を生じてしまうこともあります。作品をほめるときは、作品の個性(色づかいや色の効果、線の勢いや優しさ、柔らかさなど)を具体的にほめてください。

3.手伝わない

臨床美術は写実的に描くことが目的ではなくて、参加者が制作するプロセスを大切にしています。たとえゆっくりでも参加者が自分の手で創作していくことを尊重して、できるだけそのままにしてください。もし何か困っていて作業が進んでいないようであれば、まず尋ねてみて、すぐに手伝うのではなく一緒に考えてみるようにします。

4.急がせない

臨床美術では、制作を通して参加者が色を選んだり決めたりすることを大切にしています。その過程が脳を鍛えることにつながるからです。ですから決して急がせたりせず、じっくりと待ちましょう。

5.止めない

枠にきちんと納まらなかったり、画面からはみ出したり、下に敷いてある紙に描いたり、説明と違うことをしていたり、…「いいのかな?」と思っても制止する必要はありません。それは創作意欲の表れであり心が解放されていくことにつながるのです。ですから参加者がスムーズに創作に取り組むことが出来たら大成功なのです。出来上がった作品をじっくり見てください。その人にしかできない創作の軌跡がわかるすばらしい作品に仕上がっているはずです。
 
毎月のテーマ設定に悩み苦しいなと思ったり、活動日までの準備に手間取ったり、うまく進められなかったなと落ち込むことも多いのですが、楽しい創作時間を提供できるよう自己研鑽に努めたいと思いますので、これからも皆様のサポート、よろしくお願いいたします。

(おごう きょうこ)

よふかしのうた

2023-10-26
9/29は中秋の名月でした。

その日はAさん宅に重度訪問で支援に入らせてもらっており、ちょうどカープの試合もひと段落?(阪神の優勝が決まって消化試合、初回エラーからの失点で5回まで良いとこなしでやっと6回にビッグチャンス到来。からの~代打ゲッツーでスリーアウト!)して「もうっ!知らん!!」となったところで一緒に月を見に外出しました。

よふかしのうたのように深夜ではなかったのですが、Aさんも夜に自宅から外に出ることがなかったようで、月を見に行くというちょっと風流な感じのグッドバイブスと、近場とはいえ夜に家から出て外を出歩くという謎の背徳感からくるバッドバイブスがまじりあって多少テンション高めの2人です。

一緒に月を眺めたり、暗闇の海沿いで月の写真をとりながらキャッキャウフフしていました。

私たちであれば時間を気にせず気軽に外に出て散歩したり、コンビニに行ったりと当たり前にできてしまいますが、当事者の方はなかなかそうではないのが現状です。

こんな時間が持てるのも、長時間滞在し必要な時に必要な介助ができる重度訪問ならではなのではないでしょうか。

これからもそんなちょっとした時間をともに楽しめるような生活のサポートができればいいなと思います。

(くろかわ)

当事者の声が未来を変える―呉市障害福祉計画 聞き取り座談会

2023-10-10
次年度は、第7期呉市障害福祉計画、第3期呉市障害児福祉計画の策定時期になります。8月30日、「当事者の声を直接聞かせてほしい」ということで、呉市障害福祉課から4人の職員がくれんどに来ました。集まった16人の当事者それぞれが、現在の生活環境、福祉サービス等を利用して満足していることや不満があること、今心配なことや不安に思うこと、どんな支援があればよいか、今後の希望、呉市に取り組んでほしいこと等について話をしました。

広で一人暮らしをしている小林さんからは、7月末でこれまで身体介護で入っていた事業所が撤退し同時に相談員さんもやめて、本当に困っているという話がありました。「朝7時に起きて、夜9時に寝るのがそんなにわがままなことなのでしょうか?」という切実な訴えでした。その他、コロナ感染等で自宅に介助に入ってもらえなかった、父が入院して大変な中いろいろと辛かったり我慢したりしている、移動支援でもっといろんなところに行けるようにしてほしい、短期入所先で困ったことがある、心配なことは家族がいないこと、女性のグループホームが増えてほしい、相談しやすい人が増えたらいい、移動支援の時の移動時間の中抜きの問題について考えてほしい、介護職不足の解消と自立生活の継続をお願いしたい、人手不足を解消するための呉市の取り組みについて具体的に聞きたい、駅や商業施設のバリアフリーをもっと進めてほしい、等の訴えがありました。

逆に最近の環境でよくなったことについては、コロナ感染したけれど福祉サービスを利用しながら1週間持ちこたえた、家事援助でスタッフさんが優しくしてくれる、3年前は初任者研修等で手話通訳を付けることができなかったが現在は解消されている、重度訪問介護に関してトイレや訪問看護(入浴)利用中の中抜きがなくなり使いやすくなった、等の話がありました。そして、自分たちが通っているような施設が増えたらいい、これからも呉市と定期的に話し合う場ができればと思う、という意見も出ていました。

当事者の生の声が、しっかりと届きますように!

(いりえ)

ろう者ですけどなにか?~私が受けた差別~

2023-09-27
カンパネラの雑貨屋amiを担当している尾濱と申します。8月のスタッフ会で「ろう者ですけどなにか?私が受けた差別」、ウソのようで本当にあったことをお話しさせていただきました。

カンパネラとジョバンニのしゃべろう会で、広島マツダの従業員が障害者のマネ動画を投稿したことについてや「揶揄するつもりはなかった」という謝罪の発言について話し合いをしました。その中で、「尾濱さんはどんな差別を受けたことがあるだろうか、あれば聞きたい」と頼まれたことがきっかけで、それぞれのしゃべろう会でお話しさせていただきました。しゃべろう会で自分が受けた差別をいくつか話すのは初めてでした。差別を受けて自分が傷付いた話を人に話すのは大変つらいことです。経験話を話したくないという方もいますが、私は話したくない、隠している訳でもなく、話す機会が今までなかっただけで、逆にみんなに知ってもらいたいとずっと思っていました。

ちなみに、広島マツダは聴覚障害者が就職する率が高く、ろう者同士の間ではよく知られています。
 
しゃべろう会で話した内容をスタッフ会で紹介しました。ここでは、一部紹介します。

  • 子どもの頃、駄菓子屋のおじさんにおつりをもらえなかった

(私が聞こえないと知っていて)聞こえないからおつりのことは分からないだろう、言い返ししないだろうとバカにされたこと。

  • 親戚の人に腐った食べ物を出された

祖母の葬式で集まった親戚のおばさんに、黒い食べ物(腐敗した食べ物)を出され、断るのは失礼と思い食べてしまった。その後、嘔吐と下痢になり、祖母の最後のお別れができなかったこと。

  • アルバイトで何年間も働いたのに研修期間の時給のまま

研修期間が終わったのに、研修期間の時給でもらっていた。「あなたは、電話ができないからその時給が妥当だ」と言われたこと。

  • フードを注文すると「お金を持っていますか?」と聞かれた

注文したい内容(メニュー)をメモに書いて店員に渡しただけなのに、お金を持っていないと思われたこと。

  • 教育実習先で…

当時の校長先生から、実習の受け入れ前の面談を行いたいから来いと呼ばれた。「聞こえないあなたが、障害児に何かあった時、この子を守れるのか?」「どうやってコミュニケーションをとるつもり?」「実習したからって単位をあげるかどうか分かりませんよ、それでも実習をしますか?」などと意地悪な質問をされたこと。最後の最後まで偏見を受け、実習終了日には「聞こえないのに(くせに)実習を最後まで頑張りました」と言われたこと。
 
しゃべろう会でもそうですが、スタッフ会で自分の体験を話していると、「されたことを今でも覚えている、でも相手は一瞬の出来事で忘れているんだろうなぁ」と不思議な感覚と同時に、その時の自分を忘れまいとあらためて思いました。こんなことされて、つらい、悔しい気持ちを持つことは悪いことではありません、むしろいいことなんです。「悔しさこそ、社会を変える原動力」だと思っています。
私にとって貴重な時間となり、話を聞いてくださったみなさんありがとうございました。

(おはま)



尾濱さんの話を中心に中岡さんや小野さんにも自身の体験について話してもらいました。

中岡さんからは、大学までずっと健聴者の中で育ってきて手話やろう者の仲間を知らなかった。きっと自分にも差別や偏見はあったと思うが、その時は気付かなかったことや聞こえないからと諦めていた部分もあった。その分、手話やろう者と出会った時にはカルチャーショックを()けたし、「おかしいと思ったことはおかしいと言っていい。そのことは聞こえないこととは関係ない」と学んだと話がありました。

小野さんからは、柔道整復師になりたいと思って専門学校に通いたかったが、聞こえないことを理由に複数の学校から入学を断られ、夢も諦めなければならなかった。また、大学生の時に介護福祉士の養成課程で施設から実習の受け入れはしてもらえたが、コミュニケーションを理由に途中で実習が中止となった話もありました。

差別を受けたことで、自分はダメなんだと思い込む人たちも居るという話もありましたが、一方で演題から感じられるようにろう者として誇りをもっている尾濱さんの姿や話、中岡さんのエピソードにもあったように当事者である仲間(ピアグループ・でふらく会)の存在が大きいことを感じました

(まつふじ)

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