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理事長コラム~今月のひとこと~

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期待と希望

2023-10-26
 『20年史』には、私自身のくれんどに対する思いを書いています。今さら、恥ずかしながらですが、また、中途からなので分かりにくいかと思いますが、一部を抜粋してみたいと思います。

(前略)

 高校時代は、1970年をはさんだ高校紛争の時代でした。私は斜に構えていました。クラス討論では、「社会は変わるわけがない!差別はなくならない!」と1回だけドモリながら喚いたことを思い出します。障害をもつ姉が家族にいたことから、大きく言えば、社会と自分に絶望していたのだと思います。

 変えてくれたのは、大学卒業後、高校に就職して出会った荒れた生徒たちや、施設を出てシャバで生きようとしていた脳性マヒ者との出会いでした。いずれからも、わたし自身の加害性を指摘されて、反対に楽になりました。そんなことがきっかけとなって、隠されるのが姉という障害者の宿命と言うなら、姉自身の生きた証、生きた意味は何だったのか、ほかに選択肢はなかったのかあらためて考えるようになり、もう一度地域に向き合おうとしたのがその後の人生だったのではないかと、今では思っています。

 長年、ホームレス支援活動に取り組んで来た北九州・抱撲の奥田知志さんのことばを借りれば、障害者市民の「行くところ」「すること」「帰るところ」を、くれんど発足以来の20年でつくって来たことになります。それまでは、家族の会や手話サークルなどの集まりは運営出来ても、障害者市民の地域生活はそもそも展望できませんでした。福祉系NPOというソーシャルビジネスに出会うまでは、その生活を地域で維持する展望をつかむことは出来ませんでした。理念や思いだけがあり、かかわることで生活する人がいなかったのです。

 社会的基盤や関係を初めから持たなかった人たちや、失った人たちが、ふたたびリカバリーし、地域社会の担い手となるソーシャルビジネス・コミュニティビジネスをいっしょに創り出そうというのが、くれんどの事業理念です。わたしの若い頃のように眉間にしわ寄せず、当事者、伴走者として、地域を楽しくデザインしていくこと、これがくれんどに対する希望と期待です。

地域ネットくれんど
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地域ネットくれんどは、障害をもつ人たちや高齢者が、地域社会でいきいきと安心して暮らせる、トータルシステムの構築をめざしている、非営利の事業所です。

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