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理事長コラム~今月のひとこと~

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職能団体のもつ意味

2024-02-29
 1月には、オンラインながら認定精神保健福祉士の5年ごとの更新研修に1日参加した。事前のレポ―ト提出などの準備はもちろんのこと、当日も休憩時間を間違えるなど疾うに臨界点を超えているかなとは思いながら出来ることはしないと、というような「使命感」のなかで何とか終了時間までたどり着いた。

 70歳にしてなかなか身に付くということはないが、ただ、そういうなかでもるものはある。3つ挙げてみたい。1つは、スーパービジョン体験。スーパービジョンは、ひと言で言うと「実践における日々の迷いや戸惑いなどの省察(見つめ直し)を通して、その気づきを言語化する作業」と言われる。ターゲットが対象者にある事例検討や、業務改善にあるOJTとはちがい、自分の見つめ直しに目標がある。精神保健福祉士にしても社会福祉士にしても、認定前後には1年間のスーパービジョン講座受講が必須で、くれんどにとっては何よりこれから基幹相談支援センターを目指す立場として、ケース検討等に欠かせない共通言語ツールとしてのスーパービジョンの継続研修は、相談として必要だと再認識した。

 2つめは、省察の具体的なケースにもなるが、現場では、つい「クライエントの病識の欠如」を問題にしたり、医療保護入院や措置入院という当事者不在の「ゴール」を求めようとしたりする傾向がある。つまりそういう中で支援者も消耗し疲弊する。そういうときに、こういう研修は抑止力になる。「社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす」というソーシャルワーカーのグローバル定義を思い出すだけでもちがうと思う。

 3つめは、とりもなおさず、この5年間の自分の取り組みをふり返る機会を持てるという点である。専門職として地域における伴走支援を行っているくれんどの取り組みをふり返ることができた。

 職能団体のもつ意味を私なりにまとめると、①研修の機会の確保と、②ネットワークの形成という2点につきる。研修は、バーンアウトと暴力というハイリスクな現場に働く人材のバックアップ、育成のためである。ネットワーク形成は、1カ所の事業所だけでは伴走支援が成立しないためである。ひとはだれしも孤立したり、独りよがりになっては摩耗していく。くれんどで介護福祉士会、社会福祉士会、精神保健福祉士会等の職能団体への加入を促進する理由はここにある。

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