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理事長の連載コラム~今月のひとこと~

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障害や呆けから見えるもの

2021-10-14
 若いころ、2歳上の障害を持った姉のことを書いたレポートに対して、障害を持つ先輩から、「しんどかったということは分かるが、反対にそういう家に生まれて見えてきたもの、良かったと思えることはないのか」と指摘されたことがあった。やっとの思いで自分のことを途切れ途切れに話せるようになった頃で、先輩の問いかけにはちっとも答えられなかったが、ただ、跛行で杖を使って歩くその人の姿には大きな魅力を感じた。

 障害を受けて生きてきた、もっと言えば差別を受けてきたその人自身の語りや振る舞いのなかに、障害を受けて「見えて来たもの」や「良かったもの」の実体があることに気づいたのは、ずっと後になってからだった。

 べてるの家の人たちは、精神障害を否定しない。「安心して絶望できる人生」「降りていく生き方」「弱さの情報公開」などという胸のすくようなフレーズを生み出してシャバに留まり続けている。

 三好春樹は、認知症を「老化による人間的変化」だと定義する。病気ではないのだから、アリセプトやアデュカヌマブ(新薬)などの薬を使うことは百害あって一利ないと説く。また、「介護困難老人」などとしてはじき出したり、付き合いを強制終了するのではなく、面白おかしくもう一度関係づくりやケアを見直そうと提案している。

 障害や呆けを否定したり排除したりする姿勢からは、こんな、常識をひっくり返したり、世の中を逆さまにみたり斜めにみたりする醍醐味は生まれて来ないだろう。

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