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理事長の連載コラム~今月のひとこと~

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「必要悪」から絶対悪へ

2021-05-18
 先月のことになるが、周回遅れの『ヤクザと家族』をポポロ呉で観た。『新聞記者』の藤井清人監督、リアリティのある映画だった。1999年と2005年、2019年という3つの時代にまたがるヤクザの姿を、従来のヤクザ映画とは趣の違う「家族」という視点から描いていた。

 この間、日本では1992年に暴力団対策法が施行され、2004年の広島県以降全国で暴力団排除条例が制定されるなど、ヤクザは反社会勢力=反社として徹底的に排除されていった。たとえば、仮にヤクザを抜けたとしても、5年間は公営住宅・マンション等の入居が出来ず、携帯電話の契約も出来ず、子どもを幼稚園に入れることも出来ない。その間、どうやって生活を成り立たせばいいのか。

 (もちろん犯した罪は罰せられるべきだが)徹底した排除のなかで、更生と社会復帰を困難にしている日本の現実を映画は、主演の山本賢治(綾野剛)の悲劇を通してリアルに描いていた。こんな言い方をすると不謹慎になるのかも知れないが、それは、行き場のない人たちの出所後の「受け皿」としてまだしも機能していた、その意味で必要悪としての、疑似家族としてのヤクザが、絶対悪となって切り捨てられたことを意味している。

 ヤクザを反社として社会から切り捨てる現代の不寛容さ、社会の矛先が、なんだか障害者に向かって来はしないだろうかという白昼夢に、映画を観ながら一瞬おそわれた。

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