理事長コラム~今月のひとこと~
バックナンバー
『ただいま、それぞれの居場所』上映します
2011-04-25
まだ寒い3月、30代の若者たちが立ち上げた7つの事業所(宅老所、デイサービス)の日常の1コマと、彼らが主催・出演したイベント「Love&Peace&Care2010inヒロシマ~介護バカの集い~」を記録したドキュメンタリー映画(監督:大宮浩一)の上映会が、広島駅近くの居酒屋で開かれ、職場の仲間とのこのこ出かけて行った。それでも、会場にはおおかた100人近くが集まり、さすがに三好春樹が「アンダーグランドケア」と推奨しているだけあって、金のない、金に依存しないアンダーグランドケアラーの心意気の一端を垣間見ることが出来た。トタン張りの居酒屋の雰囲気もあって、70年代のアングラ劇団、唐十郎の状況劇場や寺山修司の天井桟敷の光景を一瞬思い出させてくれた。
さて、介護現場のいまと希望を描き、文化記録大賞を受賞した『ただいま、それぞれの居場所』のいわば附録として編集されたという『9.11介護バカのトークライブ』の感想をひと言。これまでパターナリズムな施設で疑問を持っていたり、社会からスポイルされあるいはドロップアウトして自ら居場所をなくした若い人たちが、圧倒的な存在感をもって目の前に居続けるボケたじいちゃん、ばあちゃんとの出会いを通して、居がい・生きがいを回復していくプロセスを、トークライブショーを通して何とか言語化しようと悪戦苦闘しているように見えた。さらに、かれらがこれまでの介護の既成の価値観を問いなおすという以上に、じいちゃん、ばあちゃんに、カウンターカルチャー、サブカルチャーの可能性を感じているようにも見えた。
本編の『ただいま、それぞれの居場所』の面白さ、受け合います。案内をご覧ください。