理事長コラム~今月のひとこと~
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コーディネーター付きケア付きハウスの実現へ
2011-06-23
親は、子どもが病気になったら病院に「つなぐ」、治ったら「もどす」、つぎに学校に「つなぐ」、「もどす」。さらに、卒業後のつぎのステージへ「つなぐ」、「もどす」。
このような「つなぎ・もどし」の連続的なケアを、卒業後のつぎのステージで引き継ごうというのが「伴走的コーディネート」であり、そのひとつのかたちが「ケア付き住宅」である。すでに、グループホームやケアハウスがあるではないかと言われるかもかも知れない。しかしこれらのメニューは、夜間加算などはあったとしても、基本的に「つなぎ・もどし」を保障する在宅メニューとは言い難い。
24時間の1対1のパーソナルアシスタントメニューは、事業所による代理受領、報酬単価等の問題はあるが、すでに「重度訪問介護」が一応担保している。しかしそのほとんどは全国的にも重度の身体障害にしか認められていない。
知的障害者、重度の発達障害者の場合、せめてもの在宅に近い環境を用意したいというのが、この「伴走的コーディネート」であり、「ケア付き住宅」である。障害者の人生は長い。伴走型支援は、支援側にとってもしばしば世代間にわたっていく。制度は必ずしも担保してくれない。どう継続的なシステムとするか。そのキーワードは、ひとと金である。
ともかくも現在、1ケースめを立ち上げようとしている。若いスタッフが出来るだけ選択の幅を拡げようと不動産業者に当たったら、さっそく「地域の理解を得られない」と断れられた。スタッフは「クッソー」と怒りが収まらない。この思いをどれだけ当事者の怒りとするか、持続性のある、それでも地域へぶら下がり続けるしなやかな意地としていくかが、今後の「伴走型コーディネート」「居住サポート事業」の試金石になる―と願っている。