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理事長コラム~今月のひとこと~

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「尊厳死」について

2012-01-30
 2004年の8月に起きた相模原事件と呼ばれる母親(60)による長男(40)への嘱託殺人を覚えているでしょうか。37歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された長男は、「まだ若いし、やり残したことがある」と自ら望んで人工呼吸器を装着したといいます。しかし、症状は急速に進み、翌年には「人工呼吸器をつけたのは失敗だった」と言い出しました。当初は母親も生き抜くよう励ましていたようですが、パソコンを使った意思疎通も難しくなると、長男は頻繁に「呼吸器を外してほしい」と訴えるようになり、ついに母親がそれに応じ、自らも自殺未遂をはかったという事件です。これには後日談があります。執行猶予のついた母親はその後うつ病を発症し、5年後の2009年10月、今度は夫による嘱託殺人が行なわれるという悲劇を生みます。
 
 同じ2009年11月20日付けの東京新聞によると、介護疲れなど家族によるいわゆる「介護殺人」は2000年から2009年の10月までで400件を超えています。実に1年に30件以上も起きているのです。それに追い打ちをかけるのが、私たちの内なる優生思想と「尊厳死(安楽死)」、そして制度の貧弱さです。国際的には「尊厳死」がむしろ主流にさえなっています。さらにALS患者に象徴的に表われているように、圧倒的に多数の女性患者が人工呼吸器を拒否する(拒否させる)現実です。女性は介護をする側であって、介護を受ける側になってはならないという社会意識がそう選択させます。
 
 ここで問われているのは、くり返して言えば私たちの内なる優生思想と、最重度障害者の24時間保障等の制度担保の問題です。「ただ、ぬくもりを持って生きている」ことに意味を感じられるかどうか、家族介護の呪縛から抜けられるかどうかにかかっています。その意味で、今年が正念場となる「障がい者総合福祉法」の内容と実現の如何が重要になってきます。ALSについては、橋本みさおと川口有美子をホームページ等でチェックされることをお薦めします。

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