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理事長コラム~今月のひとこと~

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優生保護法はいつまで(も)私たちのなかに生きるのか

2013-08-08
 新型出生前診断の増加とiPS細胞の開発に沸き立つ世論に憂うつな気分になっていたら、またまた長野の諏訪マタニティークリニックが、「染色体異常」などが見つかった胎児を36件選んで中絶手術を行ったと、大分で開かれる日本受精着床学会で発表することを、8月6日付けの朝日新聞が伝えていた。対象は、ダウン症などの「染色体異常」25件、胎児の体に水分がたまってむくむ胎児水腫などの病気11件だという。
 
 報道によると、「不良な子孫の発生を防止する」とする胎児条項のあった優生保護法から、96年に改正された現行の母体保護法では、当然のことながら胎児の「異常」を理由とした中絶を認めていないが、実際には妊婦(母体)や胎児の健康を守ることなどを理由に、少なくとも年間千件以上行われている。
 
 これが、わたしたちの社会のもう一方の本音である。何度も引用しているが、こんな時だからこそ、もう一度ユダヤ系ドイツの亡命詩人エーリヒ・フリートのつぎのシニカルな詩の意味を、みなさんといっしょに考えてみたい。
 
なまけ者を殺す/世の中は勤勉になる/醜いものを殺す/世の中は美しくなる/おろか者を殺す/世の中は賢くなる/病人を殺す/世の中は健康になる/悲しんでいる者を殺す/世の中は愉快になる/年寄りを殺す/世の中は若返る/敵を殺す/世の中は友だちばかりになる/悪者を殺す/世の中はよくなる
(エーリヒ・フリート 村木真澄美訳)

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