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理事長コラム~今月のひとこと~

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発達障害論をめぐって

2013-12-22
 2006年に「発達障害者支援法」が成立し、「発達障害者が増えている」という声をよく聞くようになった。専門家の多くは社会基準を前提とした個体還元論・特性起因論が大勢を占めているように見えるが、そうでない見方をする石川憲彦さん(林試の森クリニック院長・精神科医)の講演から一部を引用して紹介する(『Fonte』13.11.15から)。
 
 医療的には次の4点が、取り組むべき課題としてクローズアップされている。①発達特性の問題、②適応行動の問題(集団からの逸脱)、③併存(随伴)症状(感覚過敏および鈍磨、運動障害、多動、てんかんなど)、④合併症・二次障害。

 私はこれまでお話ししたように、①~③については、あまり大した問題とは考えていない。むしろ、「発達障害の子どもが増えている」といった一方的な見方や、「だから治療的な支援が必要だ」というまなざしの方に大きな誤りがあると考える。どうしてこんな一方的な見方やまなざしが出て来たのか?それはここ200年あまりの社会構造の変化にある。

 人類は、工業化によって自然的ルールより人為的なルールを身につける必要に迫られ、「学校」をつくった。その教育内容が変化するにつれ、子どもたちは遺伝的に形成された「自然から学ぶ」という成長のためにもっとも重要な機会を大きく奪われた。そうして、自然破壊が進行すればするほど、人為的社会がその意に沿わない子どもを排除しようとする力が強まるという悪循環のなかで、発達障害とみなされる子が増える仕組みができてしまった。

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