理事長コラム~今月のひとこと~
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「ことば」の歴史と背景、ヘイトスピーチ①
2014-02-23
いま、日本社会では在日外国人を攻撃する言動・ヘイトスピーチ(憎悪発言)が、インターネット・街頭にあふれています。「憎悪」の対象として攻撃されるのは、隣国、公務員、生活保護利用者、沖縄、「反原発」などへ拡大しています。10月には、「在特会」(在日朝鮮人の特権を許さない会)が京都朝鮮第1初級学校前で行った街宣活動などがヘイトスピーチに当たるとして、京都地裁で1200万円の賠償命令が出されています。「○○は朝鮮へ帰れ!」「○○はぶっ殺すぞ!」というようなヘイトスピーチです。これをふつうの市民が集団で行っているところに今の日本の怖さがあります。構造的に言えば、ドイツとポーランドのように、戦争という事実に向き合いながら歴史教科書を一緒につくるという政府の「誠実さ」を欠いたつけが、こんなところにも表れているという見方も出来るでしょう。
私は、朝鮮学校の前で行われているこのヘイトスピーチが、はばた樹の前で行われるという「悪夢」が一瞬ですが、頭をよぎることがあります。すでに、学校という場では、「ガイジ」「キモイ」などというヘイトスピーチが横行している現実があります。私たちが、しごとの出発にしなければならないのは、まず子どものうちから身体に刻まなければならないこの「痛み」を想像することです。その意味で「ことば」に敏感でなければならないと考えています。