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理事長コラム~今月のひとこと~

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社会漂流とクラス・アドボカシー

2014-06-28
 先日、スタッフ研修会で、日本に20年滞在しているあるカソリックの神父のお話を聞く機会に恵まれました。滞日ブラジル人、滞日ペルー人、滞日フィリピン人など滞日外国人の現状についてのお話でした。
 
 お話は、社会保険への加入さえごまかされる仕事の問題、家庭環境や排他的な日本の教育制度のなかで学校へ行けず、自分のアイデンティティさえつかめないで漂流している子どもたちの存在、やはり排他的な社会意識と保証人のカベに阻まれる住居の問題、自動車免許から結婚等々多岐にわたる問題についてのメッセージが含まれていました。
 
 1989年の入管法改正以来顕著に増え続けて来た滞日外国人は、今や200万人を超え、労働政策上日本政府は、2050年までに技能実習生を中心に約1000万人に増やすと言っています。2008年のリーマンショックでの日系ブラジル人に対する日本政府の取った姿勢を見れば分かるように、残念ながら安価な労働力のコマとしてしか見ていないことは明らかです。
 
 このような日本社会のシステムは、現在そうなりつつように社会の不安定さと当事者の社会的漂流を生むことは間違いないでしょう。市民から基本的にスポイルされていく滞日外国人の課題は、そのまま私たちの目の前にいる障害者に当てはまると話を聞きながら思いました。
 
 ではどうするのか。カソリックの神父さんがそうであるように、私たちに出来ることは、その人たちのなかへ入り、その人たちとともに、ときには代弁者となって、出来ることをしていくこと、そして何より、当事者自身が声を上げていくことが出来るよう、その人たちの「ことば」を使うことです。ブラジルの教育学者パウロ・フレイレがアドボケイトのために使った「ことば」、それは村人がふだん親しんでいた仮面劇でした。仮面劇は、識字運動の一つのバリエーションでもあります。

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