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理事長コラム~今月のひとこと~

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道半ば

2014-08-31
 これを書き始めている今、法人誕生の月8月が過ぎようとしている。
 
 2002年の8月NPO法人を立ち上げ、11月には最初の拠点施設となったとまり樹(現BROTO)が完成した。そして、翌月には筋ジストロフィー車イスユーザーである中井きょうだいの地域での生活が、社協に3人のヘルパーを自薦登録するというカタチで始まった。場所は戦後すぐに立った川沿いの不法住宅、すきま風に凍えながら、きょうだい2人の生活とそれを支える3人の自立生活はともかくもスタートした。これが、事業所設立の序章である。
 
 2003年の4月、介護保険から遅れること3年、障害者の支援費制度が始まると同時に地域ネットくれんど(旧ライフサポートピアズ)は誕生した。入所施設以外の行き場、生活を実現したいという知的障害当事者、家族の思いも背負っていた。フォーラム(広場)とバザール(十字路)、アジール(避難所)をキーワードに、爾来12年、行く場所をつくり、居場所ややりがい、しごとをつくり、シェルターから帰るところをつくるところまでこぎつけた。「行くところ」「すること」「帰るところ」というささやかなプランの実現である。干支を一巡する間に、毎月の当事者ユーザーは約130人、共に生きる伴走スタッフは、60人を超えた。
 
 支える理念のキーワードは、「弱さをきずなに」「24時間のスローライフ」「地域社会とのコラボレーション」の実現だった。排除され、隠される生活を余議なくされて来た障害者自身からメッセージを発信したい、そして障害者とともに生きる地域社会の実現は、多様な生き方、価値観を認め合い、地域発のもう一つの地域社会の実現を可能にするはずだ―という地域社会に対する思いの深さから生まれた。
 
 誕生から12年、その志はぶれてはいないが、未だ道半ばというところだろうか……。

地域ネットくれんど
広島県呉市安浦町水尻1-3-1
TEL.0823-84-3731
FAX.0823-84-4041
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1.地域生活支援
2.子ども・家族支援
3.地域協働
4.企画イベント

5.養成研修
6.当事者活動

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地域ネットくれんどは、障害をもつ人たちや高齢者が、地域社会でいきいきと安心して暮らせる、トータルシステムの構築をめざしている、非営利の事業所です。

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