理事長コラム~今月のひとこと~
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精神障害・発達障害を読み解く③
2014-12-25
精神科医の石川憲彦さん(林試の森クリニック院長)によると、現代の精神医療を理解するには、あまり細かい病名にこだわらない方がいいと言います。その上で石川さんは、精神現象を4つに大きく分けます。
キーワードは次の通りです。
①「活力」(気分障害、うつ、躁うつなど⇒精神の休息)
②「防衛」(不安障害、強迫性障害、適応障害など⇒防衛基本の再学習)
③「摂取」(摂食障害、依存症、人格障害など⇒精神の充足)
④「関係」(統合失調症、発達障害など⇒関係の調整)。
今回は、その3回めです。
その③「摂取」(摂食障害、依存症、人格障害など⇒精神の充足)
○「摂取」と「関係」の病理は、現代社会が生みだした病理です。
○野生では、食を得るのに苦労したぶん、食べられるだけで高い充足を得ることができました。
○しかし現代では、人は楽に満腹し、充足を感じません。かえってますます「不満」が高まったり、何が本当に不満か、具体的に見えて来なくなることがあります。
○この「社会的病理」が「摂食障害」「依存症」「人格障害」などです。
(『Fonte』(全国不登校新聞)12.11.1月号より)