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理事長コラム~今月のひとこと~

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あらためて教育・療育を問う

2015-02-02
呉市自立支援協議会こども部会の報告
 
○前回にひき続いて「家族支援のあり方」についての情報交換がテーマであり、ポラーノ広場、ポナの2人が出席出来なかったので、小河の方で相談(生活支援)という立場から参加させてもらいました。
 
○最初に発言のあった焼山のハッピーシードから、親の立場で経験したこととして次のような発題がありました。 「はいはいが変だったので、病院・療育機関併設の機関にかかった。何とか歩けるようになったら、今度はことばがしゃべれるようになるまで通ってくださいと言われた。いつまでがんばらないといけないのかと思った。そのための方法も、ゴールも示してはくれなかった」
 
○これに対する意見の大半は、具体的なスモールステップを提示してはとか、時間をかけてゆっくりと障害受容がはかれるようソフトに対応しては―という意見でした。 ○このやりとりには、今の療育・教育、あるいは社会が抱えている障害者に対する本質的な課題を投げかけていると思います。みなさんとも再度議論していきたい、と思います。
 
○なので、詳細については、前回の議論や、また次回も同じテーマで各機関の報告があるということなので、それらも含めて研修の機会を持ってはどうかと思います。詳しい報告はしません。
 
○たまたま、私がすわっていた位置が良かったのか、謙虚に発言を控えていた私の発言の機会が回って来ましたので、何点か気になることについて発言しました。項目のみあげて報告に代えます。
 
①療育者や教育者側が知らず知らずのうちに背負っているバックグラウンド、前提、善意とも言うべき価値観・加害性をまずは意識すること。…60年代の脳性マヒ者に対する手術。口話教育強制の歴史等々。
 
→ここからは、当事者でもある谷口明弘の「依存的自立」とか、熊谷晋一郎の「自立とは依存先を増やすことである」であるという価値観はなかなか理解出来ない。…しかし、英語のエデュケーションは、元々「(本人の力を)ひき出す」という意味を持っていた。
 
②つまり、私たちはしばしば、「世界はいくつもある」という事実を知らないまま、親に善意の価値観を押し付けている可能性がある。そういう中で例えば「特性を理解する」ということが、「ちがいを認める、自分を受け入れる、使えるアイテムは使う」ということにならないで、どこか抑圧的な療育・教育を生んでいる可能性がある。
 
③その思い上がりの可能性は、乱暴な言い方になるが、本人の自己否定感や、親の「うつ」や「虐待」を加速している可能性がありはしないか。
 
―というようなことを、30数年前の自分自身の苦い経験や、HさんやNさん、Sさんを思い浮かべながら話をさせてもらいました。…反応がなかったので、こども部会でどんなまとめになるのか楽しみです。

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