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理事長コラム~今月のひとこと~

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再生と春

2015-03-07
 19世紀の終わり、哲学者ローザ・ルクセンブルクは、獄中で『来たる20世紀は労働者の時代だ』と同志たちと希望を語り合ったという。その20年後、当時の社会民主党政府によって虐殺された。ナチス台頭の前夜である。
 
 20世紀の終わり、私が勝手に「思想家にして文人」と私淑している先輩小寺好さんは、『来たる21世紀は、被差別部落、在日外国人、女性、子ども、障害者など社会的マイノリティが尊重される時代だ』と説いた。それは希望であり、社会的メッセージだった。
 
 さてその21世紀、15年が経った。今世紀も6分の1が経過したことになる。社会はどうなったのか。グローバリズムが世界を席巻している意味では「メッセージ」とは逆方向に向かっていると言えるし、至るところでグローバリズムに対する反旗が翻り、社会的マイノリティのメッセージが発信され続けているという意味では、「希望」は生き続けているとも言える。
 
 「みだりに楽観も悲観もしない」と言ったのは、松川事件の弁護に立った小説家広津和郎だ。人は、絶望的な状況の中でも凛とした姿勢を保つことが出来る。希望を持ちづけることが出来るというメッセージだったろうか。
 
毎日、累々たる死がマスコミを通して私たちの目や耳に飛び込んで来る。それでも歩み寄る寛容と対話という希望が私たちの明日を照らす。
 
 新しい春がやって来てまた花が咲く。
 
死んだ人々は、還ってこない以上、/生き残った人々は、何が判ればいゝ?
死んだ人々には、慨く術もない以上、/生き残った人々は、誰のこと、何を、慨いたらいゝ?
死んだ人々は、もはや黙っては居られぬ以上、/生き残った人々は沈黙を守るべきなのか?
ジャン・タルジュー「詩人の光栄」より(渡邊一夫訳)
 
 

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