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理事長コラム~今月のひとこと~

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6.23「慰霊の日」に想う

2015-06-23
 6.23は沖縄では、1945年4月1日アメリカ軍の沖縄本島上陸によって開始された沖縄戦が、牛島中将以下司令部の集団自決をもって組織的戦闘を終えた「慰霊の日」として、毎年沖縄全戦没者追悼式が行われる大きな節目の日。この沖縄戦では、当時の沖縄の人口約60万人のうちの10万人、日本軍兵士と併せて実に20万人の人々が亡くなったと言われる。
 
 私事だが、今年のその日の夜明け、母の心臓が止まった。慰霊の日のおかげで、今後母の命日を忘れることはないだろう。10月で90歳になるはずだったこの母の世代は、最後の戦中世代でもある。「終戦」の年母ははたちだった。どちらかと言えば保守的な人間だったが、とにかく戦争はイヤだと言っていた。
 
わたしが一番きれいだったとき/街々はがらがら崩れていって/とんでもないところから 青空なんかが見えたりした/
(中略)
わたしが一番きれいだったとき/わたしはとてもふしあわせ/わたしはとてもとんちんかん/わたしはめっぽうさびしかった
(茨木のり子『わたしが一番きれいだったとき』より)
 
 どんな理由があれ、人は殴られれば相手に恨みを持つだろう。ましてや殺されればなおさらのこと。辺野古移設や安保法制が現実のものになったとき、日本はどのような状況に置かれるのか。
 
 親の世代の戦争責任を追及した今の団塊の世代の人たちや少し遅れて生まれた私たちの世代が、どこかで「変節」「転向」しなければここまではなっていなかっただろうし、一方で、まだ間に合うとも思う。安保法制批判は、親の世代の戦争責任を追及した私たち世代の「世代的義務」だ。
 
死んだ人々は帰ってこない以上、生き残った人々は何が分かればいい?/…には嘆く術もない以上、生き残った人々は誰の事を、何を嘆いたらいい?/…はもはや黙っていられぬ以上、生き残った人々は沈黙を守るべきなのか?
(『きけわだつみのこえ』…ジャン・タルジュー『詩人の栄光』より)

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