理事長コラム~今月のひとこと~
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世界がもし100人の村だったら
2016-11-15
新春にひと言。
このミレニアムをまたぐように、インターネット上でチェーンメールが飛び交った。世界がもし100人の村だったら、社会や政治、平和、経済などなど、もう少し身近な問題として、それぞれが考えることが出来るのではないか、というメッセージがそこにはあった。
くれんどのスタッフも、当事者も、それぞれ100人、200人を超えた。そろそろ、本格的に住まいと出番、そしてもう一つの(オルタナティブ)メッセージ基盤をつなぎ始めるときが来ている。前途は多難だが、わたしを含めこの村にたどり着いた人たちである。ここから再スタートを切るよりほかない。何とかなる。何とかしたい。
その一つ。地域協働事業は、昨年S1グランプリ優勝やひろしま夢ぷらざ、銀座タウへ出展するなど、地産地消プラス外商へ向けて大きな飛躍のきっかけをつかんだ。この試みは、親和性の強い農業をはじめとする地域事業と福祉をつなぎ、福祉就労という名目で不当に切り下げられている当事者の工賃を、何とか生活賃金に転換させる契機とするという意味を持っている。さらに、地域における小さな生産拠点の認知(それなりに収益を上げ採算の取れる拠点とする必要がある)という課題と合わせ、地域における重度障害者の就労モデルを作るという意味も持っている。
相談・居住という伴走事業は、今年これまでの一人暮らし支援に加え、グループホームというバリエーション事業の立ち上げに向き合う。家族支援事業はまた、ペアレント・メンターとの共同事業を模索する。
くれんどが立ち上がって14年、いろんなものがとにもかくにもかみ合い、ここまでカタチになって来た。当事者や家族、社会的マイノリティの暮らしから離れないかぎり、100人の村が希望を失うこともまたないのだと思う。