本文へ移動

理事長コラム~今月のひとこと~

バックナンバー

NPO法施行20年、くれんど発足16年

2018-07-18
 くれんども依拠しているNPO(特定非営利活動)法は、今年で施行以来20年の節目の年となる。くれんどというNPOも、発足以来ちょうど16年がやって来た。そこで、改めて、報道等を引用しながら、NPOとくれんどの使命について考えてみたい。
 
 日本のNPO法が、ボランティア元年と言われる95年の阪神淡路大震災をきっかけに成立したことを知っている人は多いが、その淵源を知る人は少ない。実は、80年代の米国や英国の新保守主義、新自由主義、つまりレーガン政権やサッチャー政権がNPOの活動を推進した。政府機能を低コストで担うアウトソーシング(外注)先としてNPOが利用されたというわけだ。
 
 NPOにはしかし、このアウトソーシング機能とならんで、というか、それを逆手に取って行う、もう一つの機能がある。行政からの補助金・助成金を使って、環境保全やまちづくりを推進する「社会的企業」という機能だ。そこでは、新しい「公共」をNPOが創り出し、担う。
 
 この「公共」を別のことばで表現すれば、行政や営利目的の企業では届かない、細かい住民ニーズをくみ上げていく営みと言い換えることもできる。くれんどというNPOに、より近づけて表現するなら、「しんどい人たちを支えながら、その人たちも場合によっては支え手となりながら、よりよい地域社会を創る」ということになるだろうか。
 
 くれんどというNPOで働いている100余名の人たちは、この共通の使命と価値観を共有している。このことに、私は、自負と誇りを持ちたい。
 
 くれんどで毎年配布されている『ハンドブック』にはここ数年、表紙裏に39歳で凶弾に倒れたキング牧師のことばが引いてある。「囚人でもなく、大衆でもない、ひとりの市民として」。この4月が暗殺50年だったことで、ニュース等で目にされた人もいるかと思う。非暴力を貫き、黒人差別や貧困の解決、反戦を訴えた50年前のデモ行進のスローガンが、「I AM A MAN」(私は人間だ)だった。
 
 その影響を、ピープルファーストのスローガン、「障害者である前に人間だ」は受けている。障害者は、未だに「市民」ではない、と私は思っている。くれんどの、忘れてはならない使命が、ここにある。

地域ネットくれんど
広島県呉市安浦町水尻1-3-1
TEL.0823-84-3731
FAX.0823-84-4041
-----------------------
--------------
1.地域生活支援
2.子ども・家族支援
3.地域協働
4.企画イベント

5.養成研修
6.当事者活動

-------------------------------------
地域ネットくれんどは、障害をもつ人たちや高齢者が、地域社会でいきいきと安心して暮らせる、トータルシステムの構築をめざしている、非営利の事業所です。

TOPへ戻る