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理事長コラム~今月のひとこと~

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未来をになう君たちへ

2019-03-12
 昨年から始まった地元中1年生への出前講座、今年も2月の2日間、2クラスに分かれて体育館でのセッションからスタートさせた。くれんどの事業理念を象徴するワークショップだ。イス取りゲーム(競争社会)から、イスをシェアする体験(共助社会)の心地よさを、中学生に体感してもらい、考えてもらった。講師はスタッフ今中祥人に車イスユーザーの中井泰治、去年よりは一段とバージョンアップして体育館を揺らした。
 
 特別教室に移動した後の進行は小河がバトンを受けた。それまでにふくらんでいた空気が一気にしぼみ、あたふたしてさらに墓穴を掘った。急いで軌道変更。地域協働センター、子ども・家族支援センター、地域生活支援センターそれぞれ3センターの活動とポリシーを語った。貫くヨコの糸は、「行くところ」「すること」「帰るところ」を創るという、極めてあたり前で平凡な生活理念である。障害者にとってはしかし、「たかが…されど…」の世界だ。
 
 ひと言でくれんどの事業を言い表すとすれば、「弱さ」にまなび、この弱さから地域(社会)をリデザインしようとするところにある。ここまでのセッションと紹介で1時間を終えた。
 
 障害者とつき合う意味がなぜあるのか。それは、厳然とした差別があるからだ。差別と障害者としてのアイデンティティは、2時間目に当事者が語った。知的障害、全身性障害、ろう者それぞれが、それぞれの視座から、くらしと誇りを語った。ろう者は、手話・言語文化というマイノリティ文化までつくった。ほかの障害者につくれないはずがないという希望は、私たち伴走者にとってのやりがいともなる。
 
 障害者とつき合うことを通して見えてくるものはまだある。それは、障害者のみならずヒトは弱いということであり、ヒトは助け合うということであり、さらに、ヒトとはいかなる存在なのか否応なく考えさせられるということである。
 
 最後に、パン屋「BROTO」についての紹介とパン・クッキーを食べながらの交流で出前講座を締めくくった。くれんどの関係者それぞれが分担して行った出前講座、くれんどの事業エキスがコンパクトにおさまっていると自負している。

地域ネットくれんど
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地域ネットくれんどは、障害をもつ人たちや高齢者が、地域社会でいきいきと安心して暮らせる、トータルシステムの構築をめざしている、非営利の事業所です。

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