本文へ移動

理事長コラム~今月のひとこと~

バックナンバー

居住支援法人の役割と継続性の担保

2023-03-21
 1/18に県の居住支援法人・居住支援団体の意見交換会が広島グリーンアリーナで開かれた。県として初めての意見交換会だったが、居住支援団体の数が増えていて考えさせられることがあった。21年度までの4団体から一気に13団体に増えていた。そのうち、福祉・医療側からの参入が8団体、不動産会社等の住宅供給側からの参入が4団体という内訳だった。この背景を考えてみたい。

 5年ごとの総務省の住宅・土地統計調査(2018年)によると、空き家は全国に846万戸あり、賃貸用をのぞく人が住んでいない家も349万戸におよぶという。そして、持ち家率が高い団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる25年以降は、さらに急増すると言われている。

 一方で、社会の孤立化、格差拡大を背景に、月収15万8千円以下の低額所得者、高齢者、障害者、子育て世帯、被災者その他の住宅ニーズを持つ住宅確保要配慮者は、年々増えており、公営住宅の応募倍率で言っても、3.8倍と高止まりしている現実がある。

 このようなことから17年に住宅セーフティネット法が改正され、住宅供給側、福祉側それぞれのニーズのマッチングをはかる居住支援制度も始まり、くれんども法人受託して21年からは呉市全域に対象エリアを拡げた。

 問題をひと言でまとめると、事業の継続性である。元々人件費一人分程度の居住支援法人への補助金は、法人が増えたこともあって年々減らされ、ここ1、2年で終了することがささやかれている。1/18の意見交換会で講演したNPO法人やどかりサポート鹿児島の芝田さんは、ポスト補助金の収益事業の可能性について、①法人によるサブリース経営や、②生活支援による利用料の徴収、③死後事務委任事務料―をあげていたが、公的支援の継続、公助なくしては成り立ちそうにない。

 くれんどでは、元々障害の相談報酬をベースに、居住支援に係る人員の確保と業務の維持をはかっているが、当面は、今後ともこのベースラインを維持することと、やどかりサポート鹿児島の取り組みにあった、身寄りのない人(当事者)同士で安否確認や買い物支援、入退院支援などを行う「互助会」の組織化は、参考になる取り組みだとは思った。しかし、地域における属性を超えた重層的支援が必要と言われる今日、このまま現場の自助努力に依拠する政策を続けていたのでは、地域のセーフティネットは壊れる。

地域ネットくれんど
広島県呉市安浦町水尻1-3-1
TEL.0823-84-3731
FAX.0823-84-4041
-----------------------
--------------
1.地域生活支援
2.子ども・家族支援
3.地域協働
4.企画イベント

5.養成研修
6.当事者活動

-------------------------------------
地域ネットくれんどは、障害をもつ人たちや高齢者が、地域社会でいきいきと安心して暮らせる、トータルシステムの構築をめざしている、非営利の事業所です。

TOPへ戻る