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理念とコラム

怠け者有用論

2017-12-27
 2,3年前に話題になった本に、『腐ったリンゴをどうするか?~「社会的手抜き」の魅力研究~』というのがあります。
 
 「集団で作業を行うときのほうが、個人でするときよりも一人当たりのパフォーマンスが低下する現象」を「社会的手抜き」といいます。たとえば、書類をチェックする人数が多いほど他人任せの心理が強まり(リンゲルマン効果)、集団での会議やブレーンストミングなどでも同じメカニズムで効果が落ちると言われます。フリーライダー(ただ乗り)が増えるというわけです。
 
 集団の中では、このようなフリーライダーがいると、周りの人が迷惑を被り、「怠けている」「無能だ」と非難されることにもなります。あるいはリストラの対象になることだってあるかも知れません。
 
 しかし著者の釘原直樹大阪大学大学院教授は、「そのようなスケープゴートの存在が、周囲の人の自尊心やモチベーションの維持向上に貢献している可能性もある」と指摘しています。「ヒーロー」の存在は地道な業績の向上に貢献し、「マスコット」がみんなを和ませ、さらに足を引っ張る「スケープゴート」や天邪鬼な人が集団の崩壊を食い止めているという意味で、集団には、とくに危機に直面している場合には、多様性が必要ではないかと問題を投げかけています。
 
 確かに、優秀な人ばかりを揃えた集団のパフォーマンスが予想されたように高まらないことは、プロ野球の某球団の成績を見れば分かります。「みこしは、2割の人が一所懸命支え、6割の人はほどほどにやって、2割はぶらさがっている」というたとえもあります。役割交替ということを考えただけでも、組織全体としては、「怠ける」(あそぶ)ことは不可欠なものです。著者が「怠け者」有用論を唱える理由です。

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