はじめに
くれんどは、2003年の障害者の支援費制度のスタートに合わせてNPO法人として事業をスタートしました。前身は、沿革にある通り、地域活動をしていた住民団体の集まりでした。以来、地域でともに生き、ともに遊び、ともに働き、ともに暮らす生活モデル、就労モデル、地域モデルの実現をめざして、行くところをつくり、することをつくり、帰るところをつくってきました。2025年には社会福祉法人として再スタートを切りました。
くれんどのめざしている事業は、大きく2つに分けられます。地域における社会的マイノリティのセーフティネット事業と、障害者の出番づくり、地域づくりを通しての地域協働事業、リメイク事業です。今では、居住支援事業や子ども食堂など障害分野を超えて、持続可能な地域づくりの担い手の拠点として、活動を広げつつあります。
法人概要
法人名
社会福祉法人 くれんど
本部所在地
広島県呉市安浦町水尻一丁目3番1号
事業内容
- 居宅介護、重度訪問介護、訪問介護
- ショートステイ、日中一時支援
- 移動支援、行動援護、同行援護
- 基幹相談支援センター、地域生活支援拠点、自立支援協議会、居住支援法人、自立準備ホーム
- 放課後等デイサービス、保育所等訪問支援
- 就労継続支援B型、生活介護、就労定着支援
- 計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援、自立生活援助、障害児相談支援
- グループホーム
- コミュニティ事業
設立
2002年8月
代表者
理事長 斎原 哲也
スタッフ数
128人(2025年4月現在)
売上高
4.5億円(2022年度)
3つの理念
弱さをきずなに
くれんどは、弱さをきずなに、「行くところ」「居場所」さえなかった地域に風穴を開けて来ました。そして、地域をイノベートして来ました。弱くていいのです。がんばることからは降りましょう。
当事者主体のスローライフ(自立生活)の実現を
くれんどは、障害者市民の、入所施設以外のノーマルなメニューの実現をめざして取り組んで来ました。スローなあなたならではの、こだわりを持っているあなたならではの、地域生活をエンジョイしましょう。
地域社会とのコラボレーション、協働化を
私たちの住んでいる地域は地方、もっと言えば辺境にあります。障害もまた、かつて人間界の辺境とでも呼べるところに追いやられて来ましたが、私たちは、それを少し反転させてもきました。支えられる側が支え手にもなる地域コラボレーション、ただいま進化中。
沿革
2025年4月1日くれんどは、これまでのNPO(特定非営利活動法人)から社会福祉法人に衣替えし、再スタートを切りました。事業基盤をさらに強固にするためです。これを機に、NPO時代、さらにその前身の任意団体時代をふり返ってみたいと思います。
(特非)地域ネットくれんどの母体は、1997年に立ち上がった「芸南地域を楽しむ連絡協議会」(略称:ちらくれん)にあります。構成団体は、その後加わった団体を含めて「語る会」(障害をもつ子どもの育成について語る会)、「中井きょうだいの自立生活を実現する会」、「手話サークルちらくれん」、「生活と教育を考える会」、「スローフードの会」、5つの団体がありました。
2003年の4月、障害者の公的サービスである「支援費制度」のスタートに合わせて立ち上げた(特非)地域ネットくれんど(旧CILピアズ)は、このうち、直接には「中井きょうだいの自立生活を実現する会」と「語る会」(知的障害者の本人・家族会)の、一人の市民として地域に暮らし続けたいとの切実な思いを受けて発足させました。それは、それまで、家族とボランタリーな力で支えてきた障害者の地域生活を、制度施策への期待と参画によって、持続可能な社会的基盤をつくっていくことを意味しました。
3つの理念(弱さをきずなに、24時間のスローライフの実現、地域とのコラボレーション)の下、「行くところ」をつくり「すること」をつくり「帰るところ」をつくるという、くれんどのその後の事業スタイルは、こうして当初から実現目標として位置づけられることになりました。
まずは、「行くところ」「すること」をつくることでした。「たかが居場所、されど居場所」を合言葉に、放課後等デイサービス(03.10)や成人のデイサービス事業(05.5現:生活介護等事業)の立ち上げなど「行くところ」をつくり、ソーシャルファーム(支援付き雇用)とディーセントワーク(やりがいのある仕事)、さらには地域協働をスローガンに、パン屋・BROTO(12.4)や豆ナ茶屋(17.5)、配食弁当、移動販売、町のべんり屋などの「すること」をつくっていきました。そして、地域の農漁業者、商工会、まちづくり関係者とのつながりをつくっていきました。それは、障害者の出番づくりを通して、支えられる側が担い手にもなるという、障害者観の転換を地域社会に具現化する営みでもありました。
一人の市民として生きるためには、「帰るところ」が必要です。「当事者主体の24時間のスローライフの実現」をテーマに、24時間の重度訪問介護など居宅介護・外出支援サービスや介護保険事業を始め(03.4)、グループホーム(18.4)の開設や20数名にのぼる自立生活者の伴走支援など「帰るところ」をつくっていきました。伴走支援には、窓口としての相談支援事業所(06.10)の果たした役割が大きく、ふだんの計画相談等相談業務のベースの上に2017年、緊急時支援、体験の機会の場の確保、福祉関係各種専門的人材の養成、地域体制づくりなどをそのメニューに持つ、「地域生活支援拠点事業・まるごとネット呉」を受託しました。
そして、2025年4月には社会福祉法人としてリニューアルした(25.2認可)新生くれんどの下、新しく呉市に立ち上がった基幹相談支援センターと協議会の事務局を三たび受託しました。これらの動きは、地域における重層的支援時代の基盤メニューにもなるものです。
以上見てきた通り、立ち上げ以来のくれんどの事業は、障害者のセーフティネットと出番づくりを通して、もう一つの地域協働の可能性、地域づくりを模索する試みでもあったと言うことができます。
年表
1997 | 4月 | ちらくれん(芸南地域を楽しむ連絡協議会)発足 |
1999 | 4月 | 旧とまり樹(活動拠点)確保 |
2001 | 4月 | 手話サークル「ちらくれん」発足 若い人たちの会(きょうだい会)発足 |
2002 | 8月 | NPO法人「ライフサポートセンター・ピアズ」認証 (2005年11月 CILピアズに改称) (2008年9月 地域ネットくれんどに改称) |
11月 | 新とまり樹(現 BROTO)オープン | |
12月 | 中井きょうだい自立生活実現 | |
2003 | 4月 | 障害福祉サービス事業、介護保険事業開設 自立生活センター「楽人の会」発足(ちらくれん) |
10月 | 放課後等デイサービス開設 | |
2005 | 1月 | ピープルファースト発足(ちらくれん) |
5月 | はばた樹オープン 成人デイサービス開設 (2007年4月 就労継続支援B型、生活介護に改称) | |
7月 | 居宅介護支援事業所開設(2007年3月 閉所) | |
12月 | ショートステイ開設 | |
2006 | 1月 | すきっぷ共同作業所と合併 24時間公的介護保障実現 |
3月 | 介護タクシー開設(2024年7月 廃業) | |
4月 | 食を楽しむ会、黒瀬の会発足(ちらくれん) | |
6月 | コミュニティレストラン「かふぇーる」オープン | |
10月 | 指定障害者相談支援、所内保育、移動支援、日中一時支援開設 | |
2008 | 4月 | 福祉有償運送運転者講習会開設(2024年6月 終了) 重度訪問介護従業者養成研修開設 |
2010 | 4月 | さざなみ作業所との合併 宅配弁当事業スタート |
10月 | 就労継続支援A型開設(2017年3月 閉所) 緊急時支援・居住サポート事業開始 | |
2011 | 4月 | 児童発達支援事業開設(2012年6月 閉所) 呉市スポーツ少年団「ファルコンズ」発足(2020年3月 解散) |
2012 | 4月 | パンと雑貨のお店「BROTO」オープン |
7月 | やどり樹オープン | |
9月 | 同行援護従業者養成研修開設 | |
12月 | 自立準備ホーム開設、路上支援スタート | |
2013 | 5月 | 「あそび場」オープン |
12月 | 放課後等デイサービス2分割 | |
2014 | 12月 | 安登ショップ「ジョバンニ」オープン |
2015 | 4月 | 就労移行支援開設(2019年5月 閉所) |
2016 | 4月 | 呉市自立支援協議会事務局受託 |
9月 | 強度行動障害支援者養成研修開設 | |
2017 | 4月 | 地域協働センター「カンパネラ」オープン べんり屋、移動販売スタート 呉市地域生活支援拠点等相談支援事業(まるごとネット呉)受託 |
5月 | 食堂「豆ナ茶屋」オープン | |
2018 | 4月 | グループホーム「ホームかぷかぷ」開設 居住支援法人受託 |
12月 | 自立生活援助開設 | |
2019 | 2月 | 就労定着支援開設 |
4月 | 「地域・子ども食堂」「みんなの広場」オープン まるごとネット呉、呉市4拠点体制に | |
8月 | 子育てヘルパー受託 | |
2021 | 4月 | 喀痰吸引等3号従業者養成研修開設 一時生活支援事業受託 |
2022 | 4月 | 魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま「プラチナ認証法人」認定 まるごとネット呉事務局受託 |
5月 | 古民家やまなし活動スタート | |
12月 | 要支援対象児童等見守り強化事業受託 | |
2023 | 5月 | 『20年史』発行 |
2025 | 2月 | 社会福祉法人認可 |
3月 | ポナ、黒瀬から古民家やまなしへ移転 | |
4月 | 社会福祉法人として事業開始 基幹相談支援センター・協議会事務局受託 |

20年史①

20年史②
魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度に認証されました
広島県が推奨する制度、「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度 プラチナ認証法人」にくれんどが認証されました。
呉市内ではくれんどが唯一のプラチナ認証法人です。
「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」とは
働きやすい職場づくりや人材育成、業務改善、介護サービスの質の向上等の一定の水準を満たしている福祉・介護サービス関連法人を広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会が認証し、公表する制度です。
この認証を受けている法人は、利用者を大切にし、職員も働きやすい職場づくりに取り組んでいる優良法人です。
プラチナ認証法人とは
広島県の福祉・介護業界のトップランナーといえる法人です。
プラチナ認証法人は、離職率が低く、職員が安心して長く働き続けられるよう、取り組んでいます。
プラチナ認証法人は、離職率が低く、職員が安心して長く働き続けられるよう、取り組んでいます。
ひろしま企業健康宣言
施設ご案内
一般事業主行動計画
次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画 (2023-12-28 ・ 209KB) |
会計情報
2023年度
貸借対照表_2023 (2024-07-09 ・ 135KB) |
損益計算書_2023 (2024-07-09 ・ 176KB) |
2022年度
貸借対照表_2022 (2023-07-24 ・ 102KB) |
損益計算書_2022 (2023-07-24 ・ 178KB) |