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カウンターメッセージ、オルタナティブ事業の意味するもの
2015-10-30
安全保障関連法をめぐる報道で、「カウンターデモクラシー」ということばを目にするようになりました。これは、選挙による代表民主制に対し、住民(国民)投票やデモなどさまざまな方法で民意を表明するもう一つのオルタナティブな民主制を指すことばです。そういう意味でカウンターデモクラシーは、代表民主制を補完する意味合いを持っているとも言えます。
ところで、くれんどでも、事業計画などでよく、カウンターセンターとかオルタナティブ(もう一つの)ネットとかマイノリティ(社会的少数者のための)センターということばをよく使います。障害者の生活にとって、未だに入所や療育がメジャーであり、主流である現実からすれば、「カウンター」とか「オルタナティブ」ということばは、例えば入所しかゴールがない人生の意味を問うカウンター・オルタナティブメッセージとなり、障害者市民として生きることを模索することばともなります。しかし実は、社会全体からすると、今の社会をより豊かにする可能性を拓くことばでもあります。カウンター・オルタナティブセンターの実現は、インクルーシブ(包摂)社会を実現することとイコールです。
余談ですが、私自身が初めて「オルタナティブ」ということばを意識したのは、作家の落合恵子からでした。彼女は、戦後の早い時期、母子家庭に育ちました。彼女にとって、「オルタナティブ」ということばは、家長制家族、男社会に対して反旗を掲げることでもあったのです。
