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事務局長コラム

社会福祉法人としてのスタートにあたって

2025-04-15

 くれんどは4月1日、これまでのNPO(特定非営利活動法人)から社会福祉法人に衣替えし、再スタートを切った。思えば、2002年の12月に、「〇〇無番地」という名前からして荒涼とした家で、筋ジストロフィーを持つ2人のきょうだいと3人の介助者が自立生活のとば口を開け、翌年4月に今度は芸南地域における「障害者市民の地域生活の実現」をめざしてNPOとしての事業をスタートさせてから22年、所帯は当事者約250名/月、職員は128名の大所帯となった。感慨もひとしおである。

 これを機にロゴもリニューアルする。野呂山とその河口にあるくれんどをイメージしたNPO時代のロゴも捨てがたいので、ひき続き使っていきたいが、こんどのロゴもまた素敵なデザインだ(原案は大本紀子さん)。デザインしてくれた中島汐理さん(ディーエスブランド)のコメントを紹介する。
 
くれんどのKと、樹木をモチーフにして制作しました。
色も形も違う様々な個性を持つ人々(葉)が、寄り添って協力し合いながらひとつのもの(樹木)を作り上げるイメージを表現しました。それぞれの色や形が違うからこそ、素敵なものを生み出すことができる。そうした思いを込めたシンボルマークです。
 
 さらに、同じく4月から、これまでの地域生活支援拠点(まるごとネット呉安芸灘)、居住支援法人(国と県から受託)に加えて、新たに呉市の基幹相談支援センターと自立支援協議会事務局の委託事業が始動した。拠点では、どんな相談も受け、緊急時支援を行い、自立生活支援などの地域生活支援や、そのための支援者の養成、地域づくりを担う。居住支援では、障害という属性を超えて、住宅を必要とする社会的マイノリティの居住支援を行う。基幹相談支援センターでは、拠点(呉では4カ所の拠点)と相談支援事業所のバックアップを担い、自立支援協議会という市内の関係事業所、関係機関が集まる協議体の運営を担う。単一事業所では出来ない、協議体ならではの活動を仕掛けていきたい。

 そして4月1日、1月からの入職者を加えれば15名の新入職員を迎えた。これは、第2グループホームの実現など、むこう3カ年だけでも10に余る事業課題を実現していくために必要な人材なのだが、現在こうした事業を実現していくための、かつ新入職員を支えるための構造改革に組織を挙げて取り組んでいるところだ。組織改善と責任体制の確立、研修体制・キャリアパスの見直しなど第3の組織改革がそれだ。

 人材定着は、叶えられなかった「もう一つの生活」を地域に実現していこうとする当事者・家族にとっての希望を拓く。

(小河 努)

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