理事長コラム~今月のひとこと~
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20年度の重点目標について
2020-05-20
くれんどは、地域における最初にして最終のセーフティネットの看板を掲げ、障害者の市民化事業を展開して来た。今年度は、コロナ禍のなかで、その取り組みを進めていくことになる。現在、事業計画を策定中だが、重点目標の3点にふれてみたい。
1.当事者活動を活発にし、ILP講座(自立生活体験プログラム)を軌道に乗せる。
- パーソナルアシスタンス(1対1メニュー)・「重度訪問介護」を守り、障害福祉サービスの介護保険への吸収を阻む―これが自立生活部門の使命である。そのことを重度障害者が発信し続けることに意味がある。
- そのために、新任研、実習、出前講座、しゃべろう会、当事者連絡会、ちらくれん等々あらゆる機会を通して、メッセージを発信し、ILP講座を実施する。
2.第2グループホームの実現(財政・人員の確保)にメドをつけ、組織基盤を確立する。
- 地域生活の場としてのグループホームを軌道に乗せるための課題は4点ある。
- 第1に、制度の枠組みを「訓練等給付費」から「個別給付費」に移すことにある。第2に、財政見通しを明らかにすることにある。第3に必要な人員の確保にある。第4に持ち堪えられる組織基盤の確立にある。
- それぞれに前年度からアクションプランを準備して来た。第3項に関連しては、異例中の異例だが、5月から「企画・広報戦略室」を立ち上げることにした。当面は、採用戦略のアイデアをしぼる。
3.一般就労のモデルとなる福祉就労の内実をつくる。
- このスローガンの意味合いは、施設外支援等から就労につなげる地域連携モデルをつくるという意味と、福祉就労の場を、「ディーセントワーク(やりがいのあるしごと)」「ソーシャルファーム(支援付き雇用)」をキーワードに、だれ1人取り残さない就労・居場所モデルとして構築しようとの意気込みがある。
- さらに、18報酬改定など極端な成果主義と効率主義、重度障害者の排除という外圧に抗しながら、重度障害者(生活介護利用者)にも工賃を払い、なおかつ収入増をめざす就労モデルをつくろうとのねらいがある。1年かけて結果を出す。