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理事長コラム~今月のひとこと~

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正義はふらふらするくらいが

2022-12-22
人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である

 2000年に採択された、日本社会福祉士会や日本精神保健福祉士会も加盟する国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)によるソーシャルワークの定義の一節である。現在IFSWのソーシャルワーク定義は変更されているが、インパクトの強いこちらのほうをときに思い出す。

 この社会正義の、定義づけや総論には異論はないものの、ただ、実際の現場では戦争や利害の衝突場面など迷うことや立ち尽くすことも多い。漫画家のやなせたかしは、「正義のための戦いなんてどこにもない。正義は或る日突然逆転する」と自身の戦争体験を通して述懐している。そして、『アンパンマンの遺書』のなかでつぎのように書いている。

正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです

 アンパンマンは、飢えた人がいると、自分の顔を食べさせる。自分も弱くて頼りないのについ捨て身で動く。が、問題が大きすぎてその行動も応急措置にしかならない。顔だけでなく、マントもぼろぼろになり、正義はふらふらになる。ふらふらになって、ジャムおじさんのシェルターに帰っていく。

 私たちもまた、日頃の状況支援、綱渡り支援にふらつき、応急処置にもならない無力さにうちひしがれることもしばしばだ。しかし、絶対正義をふりかざして相手を追いつめるよりはずっと良かったんだと、『アンパンマンの遺書』を開きながら自らをなぐさめる。

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