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理念とコラム

尊厳死法案と役に立たない命?

2013-02-03
 脳死移植法が改正され、家族同意で脳死移植が行われるようになったと思えば、今度は、超党派の国会議員でつくる尊厳死法制化を考える議員連盟から、「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」として、「延命措置の不開始」を趣旨とする第1案と、「延命措置の中止等」を趣旨とする第2案が公表されている。私は、ただ儲けるためだけに行われている過度な「延命措置」に賛成する立場にいるものでもないことを最初にお断りしておく。
 
 「尊厳死」推進の本音は、「日本尊厳死協会」(元日本安楽死協会)の創始者である太田典礼の主張を見ればよく分かる。かれは、「認知症高齢者」「知的障害者」「精神障害者」をはじめとする太田のことばで言うところの「半人間」を切り捨てろ、と激しく主張している。「半人間」には理性や知性などの「精神」が存在せず、「人間の尊厳」のかけらも見て取ることが出来ないと言うのである。
 
 ヨーロッパ由来のこの一面的な価値観、すわち優生思想は、その後、ナチスの知的障害者、精神障害者、ユダヤ人の虐殺へと引き継がれ、今日、脳死移植法や尊厳死法の推進へと連綿として受け継がれて来ている。哲学者トゥーリーによれば、「パーソン(人格)」とは、自らの経験と心的状態が持続的に存在するものとして自己認識できる者のみが「パーソン(人)」の資格を持つと述べている。
 
 しかしである。延命治療として真っ先に思い浮かぶのは、呼吸器の装着と胃ろうなどの経管栄養であるが、重度障害者や難病者の中には、人工呼吸器や経管栄養を使用することから「生きること」が始まる人がたくさんいる。
 
 まずは、この事実をあまねく知らしめることからたたかいを組み直す必要がある。

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